12話 ページ12
A「あ、れ・・・」
辺り一面真っ白な、何もない世界・・・そこに私は一人でたたずんでいて、周辺には誰もいない。・・・どうして、誰もいないの・・・?
A「だ、れか・・・」
そこまで呟いて気づいた。本来、こういうときは身近な人物が頭に浮かび上がってその人物の名を呼んでしまったりするのだろうが、私の頭には誰の名も浮かばなかった。・・・そういえば、何もかも忘れてしまったんだっけ・・・それじゃあ私・・・
A「一人・・・だ・・・」
近くに助けを求められる人もいない。どこかにいるであろう知人の名を叫び、助けを乞うともできない。・・・どうしよう、どうしたら良いの・・・?と、焦りばかりが積もり、冷静な判断ができなくなる。・・・それじゃダメだとわかっているはずなのにどうしようもなくて・・・何故か私は、左のこめかみの辺りの髪に触れていた。
A「あ、れ・・・?」
そこにあるのは、さらさらとした髪の感触だけ・・・別にそれは普通のことのはずなのに、何故かこの空間に一人でいることよりも、記憶を失ったことよりも大きな不安が私を襲う。・・・何かが足りないと、体が、心が訴えているのを感じてどんどん焦りが蓄積されていく。
A「う・・・あ・・・」
唇も、手足も・・・いや、体全身が震え、その場に座りこんだそのとき・・・ゴツゴツとした大きな、懐かしい感覚のする手が頭の上に乗った。
???「落ち着けよ、焦りは最大のトラップ・・・だろ?」
いつの間にか目の前に立っている天然パーマの男性は、私の頭に置いている手とは別の手で・・・左手で軽くサングラスを持ち上げながら微笑みかけてきた。
A「あな・・・たは・・・」
私の記憶の中に、この人はいない・・・だけど、全身の細胞が訴えているのを感じた。この手の感覚も、低い声も・・・わずかに香る煙草のにおいも、全部知っている、と・・・
???「名乗る必要はねえよ・・・どうせ全部思い出せるからな、俺のことも含めて・・・」
ただな、A・・・と少し悲しそうに微笑んだ彼は、ゆっくりと私を立ち上がらせたあとに、優しく微笑みながら言葉を紡ぐ。
???「少なくとも、俺はお前の所為だなんて思ってねえし、後悔もしてねえよ」
A「・・・え・・・?」
???「今のお前にはわかんねえか・・・けどな、きっと
194人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
フランドール - ゆうみんさん» コメントありがとうございます。そうなんですよ!いいところで話が続かない、私、いつもそうなんです。学校が忙しくて更新遅いですが、楽しんでいただけるよう頑張ります。 (2019年7月16日 19時) (レス) id: e0624ff3f8 (このIDを非表示/違反報告)
ゆうみん - そうだよね,いつもいいところで話が続かない、彼女ちゃんの気持ちわかる、次回楽しみです (2019年7月14日 18時) (レス) id: 031a0bf45d (このIDを非表示/違反報告)
フランドール - 美紀さん» コメントありがとうございます。私もコナンや新一、それから他のキャラも大好きです。 (2019年7月11日 19時) (レス) id: e0624ff3f8 (このIDを非表示/違反報告)
美紀 - コナン大好きです最高ですコナンと新一大好きです (2019年7月8日 14時) (レス) id: a31ea93868 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:フランドール | 作成日時:2019年7月6日 20時