【ハイキュー】大ッッ嫌い (ページ10)

今日:20 hit、昨日:0 hit、合計:27,574 hit

第10話ページ10

「なら何で…」

一通り中学の頃の話をした。
それはもう、洗いざらい。

「３年生になって、ベンチ入りはしたよ
　それでも試合にはほとんどでられなかった」

　

「それはAの実力が大したこと
　なかったってだけだろ」

それはわかってる。
わかってるよ。

「そうだね
　
　努力しても報われない
　もともとセンスのある飛雄には
　絶対わからないよ」
　

「それは…!
　Aの努力が足りなかったからだ」

さっき開けた窓から
風が吹き込み髪の毛を揺らす。

「春休みに友達につき合ってもらって
　毎日毎日門限ギリギリまで練習した
　部活中は休憩時間もサーブ練習レシーブに
　走り込みだってしてた
　新しくなった顧問の先生にもコーチにも
　どうやればもっと良くなるのか
　何回も何回も聞いた
　ほとんどの時間をバレーに費やしてた
　もう遅いって解ってても
　できる限りのことはした何でもした

　それでも努力が足りないって言うの？」

さすがに一息でこれはキツかった。
息が上がる。

それに圧倒されたのか

「……っ」

言葉に詰まっている。

「それに同学年の人からも
　あんまりよく思われてなかったっぽいしね」

ぬるい同学年達は本気でやっているのが
目障りらしかった。
それでも本気でやってるのは
同学年に私を含め３人居た。

「報われない努力も
　
　本気が格好悪いと思ってる連中も

　大ッッ嫌いなの」

そう言うわけだから、そう言って教室を
でようとしたときに

「…………待てよ」

腕をつかまれた。