烏野高校排球部はこうでないとね３

黒尾�鶚 ページ10

でも







.



解ってたんだ





.






俺も兄貴も







.





小学生と中学生なんて
大人にかなうはずない




.







「なんだその目は
　父親に向かってその反抗的な目は
　何だ!!!!」



.






やっと起き上がって
フラフラだった俺を





父親はまず蹴り飛ばした









.









.






口の中は鉄の味になって



視界も歪む









??「鉄朗!!大丈夫か!?」









駆け寄る兄貴








の








.









.








後ろには









黒「にいちゃ……
　 後ろ!!!!」









でない声を精一杯振り絞って
叫んだ









.









.









バキッ……という鈍い音









??「て……つろ……」








黒「……ッッ!!!!」









倒れ込む兄貴からは
赤い液体が流れて、服も、床も
赤に染める







??「最期に……な……まえ…くらい
　 呼べ…………………よ、な」







ニシシ、とまた

弱々しくも



いつもの笑いを作る兄貴









黒「優刀兄!!!!」









.









優刀(ゆうと)


と言う名前は








男が生まれたとき
必ず付けようと思っていた名前らしい

下に兄弟が生まれることを
見据えて





そう名付けたらしい









.









母『鉄朗、優刀、聞きなさい
　 優刀の“刀”は鉄朗の“鉄”から
　 できてるの

　 鉄を熱くして叩いて磨くと
　 ほら、よくお侍さんが持ってる
　 細長い刀になるの

　 時間をかけて

　 ゆっくりゆっくり形になるのよ』





そう言う母親の言葉が
よく解らず



黒『それが何で俺達の名前に関係するの？』



なんて聞いたら









.









母『刀は鉄を鍛えると
　 何でも切れる、立派なものになるの

　 つまりね、





　 刀は鉄の憧れなの
　 鉄の塊よりも、刀の方がかっこいい
　 でしょ？』






黒『うん！かっこいい！』




優『刀かぁ……
　 確かに！』







母『だからね
　 刀は鉄の目標なのよ

　
　 優刀は鉄朗にとっての“刀”で、
　 目標であってほしいの

　 お兄さんとして、家族として
　 １人の人間として
　 鉄朗を護って、支えて、導いて


　 鉄朗は、“鉄”として
　 優刀を目標に自分を
　 強くして

　 そういうお互いに支え合って
　 競いあえるようになって、
　 っていう願いがこめられているのよ』

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