烏野高校排球部はこうでないとね３

３−１ ページ3

.








黒「だからお前、女、苦手なのか？」






遠慮がちにそう尋ねられる

保健室のベッドの上に
クロさんと並んで座っている

頭の上にはクロさんの大きな手







何度も優しく撫でてくれた









貴「少し、苦手……ですね」



黒「そ……っか
　 嫌な話させちまったな」






申し訳なさそうに言うクロさん








貴「そんな、謝らないでください！」






私が、クロさんにならって
話したんだから……



この話を知っているのはお兄ちゃん達だけで
他人に話すのはクロさんが初めて




家が隣の翔陽でさえ
知らない







信用……違うな

信“頼”してるからこそ





言う気になったのかな









１人で納得していると

肩が重くなった









貴「クロさん!?」









.









.







黒「眠い」









驚いて損した……









黒「わっ!?」









ぐいっと引っ張られ
布団にダイブ









黒「しばらく抱き枕な」






貴「暑いですよ！」







密着してるから
クーラーがついている保健室でも
暑く感じる









貴「クロさんってば！」








黒「ちょっとだけだって
　 んな嫌がるなよ」







少し声のトーンが下がる









本当に抱き枕状態の私は
振り向けないし

動けないけど……





何となく



クロさんが寂しそうな顔なのかなって
思う









黒「俺だって────────…だよ」









貴「何て言いました？今」








黒「なんでもねーよ！」









強い言い方と同時に

首と腰に回された腕の力が強くなる








………さすがの私も諦めて

大人しく抱き枕になることにした









.

３−２→←過去編�鵺

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す