21.わからない ページ23
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A「…今ので全部」
この後椿さんに助けられ、私は下位吸血鬼になる。
桜哉「……そっか」
桜哉はずっと無言でうなずきながら聞いてくれた。
桜哉「…辛かったんだな。無理に聞き出そうとしてごめん」
A「いや…むしろ話してすっきりした。今まで話せなくてごめんね」
話してる間、私を抱きしめている桜哉の腕が何回も震えていた。
A「……前に…桜哉言ったよね。偽ってない本当のお前はどれなんだよ…って」
桜哉「うん」
A「ごめんね、あれわからない」
桜哉「わからない？」
そう、わからない。自分がどれなのかわからない。
A「…私は…下位として目が覚めた時、自分の人格を失っていたから」
殺されたときのことは懸命に覚えているのに、自分がどういう人間だったかがさっぱり思い出せなかった。
何が好きで…何をしていて…明るかったのか…暗かったのか…すべてがさっぱり。
きっと殺された時のことがショックだったんだと思う。
A「…そのあともいろいろと偽りすぎて……もう自分がわからなくなっていた」
桜哉「………」
また桜哉の肩が動いた。
今何を思ってるんだろう？
桜哉「……でも…俺の目の前にいるAはAだよ」
A「え？」
桜哉「誰かのために尽くす。いつもいつも自分よりも相手…これが俺にとってのA」
A「………やめてよ…」
やめてよ…そう言うこと言わないで…
A「…人を信じて殺された私は、まだ他人を信じられないでいるんだから」
桜哉「でも…こうして俺に話してくれたじゃん」
優しい声で言わないで。
………この世界に生きたくなってしまう。
桜哉「…俺は…今のままのお前が好きだよ」
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梓(プロフ) - ヨノさん» ありがとうございます…！つばきゅんいいですね！案作って見ます)^o^( (2015年2月21日 22時) (
レス) id: 6798802b7f (このIDを非表示/違反報告)
ヨノ - なんか、泣ける話でした。次は、椿さんがいいです。 (2015年2月21日 14時) (レス) id: f15579503e (このIDを非表示/違反報告)
梓(プロフ) - キルシェさん» ありがとうございます！！！！ (2014年11月25日 14時) (レス) id: 6798802b7f (このIDを非表示/違反報告)
キルシェ(プロフ) - おもしろかったです！！桜哉大好き！ (2014年11月22日 22時) (レス) id: 5cf4b90201 (このIDを非表示/違反報告)
梓(プロフ) - ネオさん» わぁぁぁぁぁありがとうございます！ (2014年8月24日 0時) (レス) id: 477bb58bf5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：梓(雪猫) | 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/u.php/hp/azusa0826/
作成日時：2014年6月29日 12時
