フロイド・リーチになぜか懐かれた。【フロイド・リーチ】【ツイステ】 (ページ6)

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ウツボが5匹ページ6

フロイドがお見舞いに来てくれた日から数日、
俺は昼ごはんを食べるため、学食の長蛇の列に並んでいた。

カリムとジャミルは弁当があるので別行動である。

俺にも作ってくれればいいのに、とこの間頼んだら
普通に断られた。解せぬ。

「おや、そこにいるのはAさん」
「お前は、確かジェイドか」
「はい、覚えていただいているとは光栄ですね」

後ろからヌッと出てきたかと思うと、ジェイドはにっこりと
嘘くさく笑った。

待ち伏せてました感満載である。

「そういえば、Aさんにお願いがありまして……」

やっぱり待ち伏せてたんじゃねぇか。

ジェイドは後ろから俺の両肩にガシッと手を置き、
逃す気はないといった感じである。

頭を抱えた俺の様子も気にせずジェイドは話を進める。

「近々オクタヴィネルで、ラウンジをオープンすることになりまして、
アルバイトなど興味ありませんか？」

そういえば、スカラビア寮生がそんなこと話してるのを聞いた気がする。
確か名前は『モストロラウンジ』だったような。

「オクタヴィネルのヤツで回せないのか？なんで俺？」
「あなたがいるとフロイドがやる気を出してくれるんです。
あ！あと、Aさん顔が広いじゃないですか」

取ってつけたように後半を言ったなコイツ。

……ん？ってか、

「なんで俺がいるとフロイドがやる気になるんだ？」

純粋な疑問をぶつけると、ジェイドはポカンと気の抜けた表情をした｡

変なこと言ったか？

「おや、あんなに分かりやすいのに、気付いていないんですか。
Aさんは意外とお馬鹿なんですね」

すぐに表情を元に戻したジェイドはサラリと、
出会ってまもない俺に罵倒を浴びせた。

ジャミルといい、コイツといい俺を罵倒して楽しいのか？

「まぁいいか……。どうせ暇だしやるよ｡アルバイト」
「安心しました。来ていただけないようでしたら、力わz、
あ、いえなんでも。とにかく安心しました」
「え、今、力技って」「フフ、言ってません」

全力で誤魔化された……。

放課後教室まで伺いますと言うと、ジェイドは去っていった。

リーチ兄弟は台風か何かかなのだろうか。