フロイド・リーチになぜか懐かれた。【フロイド・リーチ】【ツイステ】 (ページ4)

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ウツボが3匹ページ4

「背中が痛い……」

「バカ、あんな無茶するからだ……」
「だってフロイドが怪我しそうだったし」

放課後、寮部屋に戻ると俺はジャミルに手当てしてもらっていた。

さっきまでピリピリしていたはずの傷がいつのまにか、
とんでもなく痛くなっている。

「背中、どうなってる？」
「水ぶくれが破れていくつか火傷ができてるな」
「うひゃー、痛そうだな。オレ部屋から薬持ってくる！」

カリムがドタドタと部屋から出て行くと、超特急で戻ってきた。

その間も、ジャミルが水魔法で背中を冷やしてくれている。

「すまん」

慣れた手つきで、丁寧に包帯が巻かれるのを感じながら言った。

「いいさ、お前のバカには慣れたしな。カリムの薬は特製だから傷はすぐに治る。
だが、明日は安静に部屋で休め」
「わかった。ジャミル、カリム、ありがと」
「あぁ」「おう！」

＊

次の日、俺は寝苦しさで目が覚めた。

この寝苦しい感じはあれだ。猫が腹の上で寝てる感じ。

寝たままで腹の方を見ると、フロイドが俺の腹に腕と頭を置いて寝ていた。

……えぇ、何してんだ。

フロイドは、なんとも気持ち良さそうに、涎を垂らして寝ている。

「おーい、フロイド。はよ起きろ」

頭をぺちぺち叩くと、フロイドは薄く目を開けた。

「ァ、フグちゃんだぁ。おはよ」
「おはよう、フロイド」

そう言うと、フロイドは布団に顔を埋めた。

え、俺の顔そんな見たくないの？

そんなことを思っていると、フロイドの口から小さな声が聞こえた。

「……フグちゃん。怪我、痛くない？」

わお、フロイドはどうやら心配してくれているらしい。

顔を見せてくれないのも、罪悪感からなのだろうか。

「おう、この通りもうピンピンしてるよ」

嘘はない。実際、カリムの薬はよく効いているようで、
体を動かしても痛くなかった。

フロイドを安心させるように、頭を撫でる。

払いのけられるかなと思ったが、そんなこともなく安心した。

「ごめんね」

フロイドがぽつりと呟いた。

「気にしてないって。それに言われるなら、ありがとうの方が嬉しい」

「……そっか、ありがと。フグちゃん」

それから、やっと顔を上げたフロイドは
いつもの怪しい笑みとは違う、安心したような嬉しそうな表情を浮かべた。

フロイドの笑顔を見て

どきりと胸が鳴ったのはきっと気のせいだろう。