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足早に歩く駿佑の白いシャツを纏った背中は、あの日の龍斗を想起させた。どこへ行くのか、彼自身も知らなかったあの日。
駿佑と大光も、どこへ行くのか知らないまま歩いた。
「みっちー…ちょっと待って。話そ」
彼の手を取ると、駿佑は俯いたまま足を止めてくれた。
「…あのさ、ほんとにコネとかないよ。作間龍斗の幼馴染なのは、あいつの言う通りだけど、でも今、作ちゃん…」
口を噤んだ。彼が記憶を失っていることを口外してはならない。表向き学業専念での活動休止なのだから。
「……なんか、言われへん事情があるんやね」
「えっ？」
自販機に照らされて、駿佑の白い顔が恐ろしいほどに綺麗だった。透き通った眼差しに隠し事をするのが苦しい。全てを打ち明けて見透かされたらきっと大光は楽になれる。
実はと言いかけたとき、駿佑がはあ〜と大きなため息をついた。
「だって冷静に考えておかしいし。学業優先ってなんやねんまだ高2やろ。そもそも龍斗くんは附属校やから嘘なんバレバレやしてかオーディションも事前にそんな噂なかったしどうせ東雲の思いつきやろ。ほんまムチャクチャやわ大手やからって好き勝手しよって。これやから運営が無能無能言われんねん」
美しい顔と普段のおっとり具合からは想像もつかぬ長台詞に、大光の頭の処理速度が追いつかない。
「えっ…ちょ…あの…」
「えっ？…あ、ごめん。僕、Dreamingのことになるとさ、オタク特有の早口なってまうねん」
オ、オタク特有の…？大光は混乱してとりあえず糖分を摂取しようと目の前の自販機のボタンを押した。
「…僕、Dreamingずっと追ってて」
「…言ってたもんね。好きって」
「うん。やからごめん、大光のことも気付いとった」
「えっ、嘘。作ちゃん…作間龍斗の、…幼馴染って？」
「うん。龍斗くんのこと作ちゃんって呼んでたから。あれは…浮所くんとのラジオやったかな？」
駿佑が携帯を操作し、とある音声ファイルをタップした。懐かしい龍斗の声が、メロンソーダの香りとともに夏の晩に溶け出してゆく。
ああ本当にアイドルだったんだ、作ちゃんは。
彼の全ての活動をこの目に、この耳に焼き付けてこなかったことが、今更悔しかった。
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LIKKA(プロフ) - みよさん» コメントありがとうございます…リトかんハマりかけてます。初っ端からクセの強い役で申し訳ないです（笑） (2020年8月7日 1時) (
レス) id: 39c1d8fd7b (このIDを非表示/違反報告)
みよ(プロフ) - まさかのにしたくの登場に興奮しています笑 (2020年8月7日 1時) (レス) id: 9238d6c588 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：LIKKA | 作成日時：2020年8月6日 21時
