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「ねえ、センター譲ったのってそのせい？」
「…まあ。というか俺は、次で落ちるから」
「なんで？まだ分かんないじゃん！」
そう勢い込むと涼は口角を上げた。
笑っているのに、悲しい顔だった。
大光はそんな顔をしたことがない。
「…でも、絶対サイコーのパフォーマンスすっから」
「そうじゃなくて！」
何故落ちると決め付けているのかを再度尋ねようとして、誰かがスッと横に立った気配で大光は顔を上げた。駿佑だ。
「あ、みっちー。どしたの、長かったね」
「……ごめん」
駿佑は絞り出すように帰る、と言い残し、呆気に取られる大光を置いて足早にエレベーターホールへ向かって行った。
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「ねぇ、昨日どした？なんかあった？」
「…何も…」
明日にはパフォーマンス対決の収録だというのに、大光のチームの雰囲気は微妙であった。
駿佑はこの前の帰り際から上の空。やはり再生回数の件が引っ掛かっているのか優希には元気が無く、いつもは天真爛漫な颯太もそんな空気を察したのか口数が少ない。
「うーん。うーん、ちょっとさ、1回音止めない？」
大光は4人をそう座らせ、彼らの顔を見渡した。
どうやって元気付けたら良いだろうか、と考えあぐねていると、この中では最年長である涼がさっと手を伸ばして隣の優希の肩を優しく叩く。
「気にすんなよ。思いっきりやろーよ」
「…でも」
「和田、アイドルなりたいんだろ？」
「…分からない。僕、ダンスも初めてで、下手だし…」
「初めてでレッスン付いてこれんの！？やば！」
大光の口からは素直な感想が漏れていた。
颯太が隣で吹き出している。
「え、マジですごいよ、それ。今回の曲だって出来てるしさ、もうちょっとだけ詰めれば良くなるよ。てかおれ、教えるし」
「ほんとに…？」
「うん。その代わり和田歌上手いんだから教えてよ。そのためにも候補残ってよ」
他の3人がハッと顔を上げた。
明日のパフォーマンス対決後の視聴者投票で7名が脱落する。当たり前のように毎日顔を合わせていた候補生のうち3分の1が、あと1週間も経てばここに通う資格を無くす。
大光は、果たしてその残酷さに耐えられるのだろうか。せめてこの1週間ほど最も近くにいたこの4人とはまだ一緒にいたいと思う。諦めている涼も含めて。
現時点の順位では5人の中で落ちるのは大光と駿佑だけれど、けれど絶対にそうはならないと信じている。
ありがとう、と優希が声にならない声で言った。
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LIKKA(プロフ) - みよさん» コメントありがとうございます…リトかんハマりかけてます。初っ端からクセの強い役で申し訳ないです（笑） (2020年8月7日 1時) (
レス) id: 39c1d8fd7b (このIDを非表示/違反報告)
みよ(プロフ) - まさかのにしたくの登場に興奮しています笑 (2020年8月7日 1時) (レス) id: 9238d6c588 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：LIKKA | 作成日時：2020年8月6日 21時
