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風呂場に注意を払いながら、大光は部屋を見渡す。
床に散乱していたものはゴミ袋にまとめられている。そのうちの一つに目を留めた。
「…台本？」
初めて龍斗が出たドラマの台本、映画祭にも出品された映画の分厚い台本、Dreamingのメンバーと出演したコメディードラマの台本が破られ、一緒くたにゴミ袋に詰められていた。
「こんなの、捨てたら作ちゃん悲しむよ」
ビニールをほどく。ふと、一冊の手帳が目に入る。破られていない綺麗な紫色の革表紙。
紫色は、ずっと龍斗のメンバーカラーだ。
龍斗の幼い頃からの日記のようだった。
「2014年10月1日 はれ
学校に行って、収ろくをして、そのあと事む所に行ったら、海人君とれん君からたん生日プレゼントをもらった。中身はこの手ちょうだった。日記をつけることにした」
れん君とは、事務所の先輩だろうか。龍斗の口から出てきた覚えがない。
「2014年10月15日 雨
学校をさぼって岸くんの部屋でマンガを読んでいた。ぼくも大光と同じ中学に行きたいな。でもそれを言ったらママはそんなのありえないとおこった」
「2014年11月6日 はれ
しののめさんがぼくたち5人のグループ名を発表した。Dreamingは英語でゆめを見ることという意味らしい。最近れん君がレッスンに来ない。大阪に帰ったのかな」
しののめさん、とはDreamingも手がける有名なプロデューサーのことだ。「れん」はデビュー前にDreamingを辞めたメンバーであることが読み進めていくうちに大光にも分かった。
大光の知らない龍斗が、日記の中にいる。
「2015年7月10日 雨
営業をしたので宮澤さんのドラマに出ることになった。夏休みは大光といっぱい遊ぶつもりだったけど、ずっとお仕事になってしまった。しょうがない」
営業、というワードに首を捻る。大光の父も接待のゴルフやカラオケが〜とよく言っているので、挨拶か食事でもしたのだろうか。
「2015年7月20日 はれ
営業のあと、そのまま宮澤さんとドラマの顔合わせ。終わったけどママがむかえにこない。むかしカレーのCMにいっしょに出たAちゃんと、久しぶりに会った」
大光は驚く。若手女優の望月Aではないだろうか。容姿の可憐さはさることながら演技への評価も高く、何を隠そう大光もファンクラブに入っている。Aちゃんと知り合いなのか…作ちゃん教えてくれたっていいのに…と大光は思わず本来の目的を忘れかけた。
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LIKKA(プロフ) - →いつも励まされております。これからも未熟ですが楽しんでいただけたら感無量です。 (2020年5月28日 0時) (
レス) id: 39c1d8fd7b (このIDを非表示/違反報告)
LIKKA(プロフ) - 呑さん» いつもありがとうございます！また勿体なきお言葉を…岸くん確かに何気に初ですね、今回メンカラ紫祭りです。アイムドール、本当にすみませんでした。続き書こうと思っていたのですが事情があってちょっと変化させました。それでも楽しんでくださって→ (2020年5月28日 0時) (レス) id: 39c1d8fd7b (このIDを非表示/違反報告)
呑(プロフ) - LIKKAさんのお話は全部苦しいくらいに好きで好きで仕方ないのですが、このお話本当に大好きです。個人的にLIKKAさんの初岸くんに歓喜しております。アイムドールもドキドキしながら読んでいたので、そのドキドキを拾って頂いた気がしてます。大好きです！！！ (2020年5月27日 23時) (レス) id: 2d1b1a1819 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：LIKKA | 作成日時：2020年5月23日 1時
