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相変わらず龍斗の部屋の扉の鍵は開いている。彼が外に出ることを阻んでいるのは外から付けられたチェーンだけだ。
大光は玄関に無造作に置かれていた鍵をこっそりポケットに入れた。これがあれば雄登にいちいち頼まなくてもエントランスを通過できるからだ。
最早やっていることは犯罪だが、勝手に退院させて幽閉する方が犯罪に近いだろうと大光は自分の行為を正当化した。
「作ちゃん、来たよ」
龍斗はソファに体を預け、虚空を見つめていた。
スタッフが掃除しているというのは一応本当のようで、床に散乱していた教科書や台本は見当たらなくなっている。
「最近暑くない？お風呂入ろ」
「……おいしかった」
「ん？何のこと？」
「…この前の…」
大光はああ、と納得した。この前ここに来た時岸くんが作ってくれたポテトサラダを持ってきたのだ。
大光は今のところ『ポテトサラダの人』という認識らしい。
「作ちゃんの大好物だったんだよ。また持ってくるね」
洗面所に龍斗を誘導しタオルを出す。
肌は荒れ、髪はぼさぼさだがそれでも小さい頃から人前に出続けていた龍斗は相変わらず美しい。また背伸びたんだ、と大光は彼を見上げた。
「作ちゃん、俺ちょっと掃除するからゆっくりお風呂浸かりなね」
「あの」
「ん？」
「…僕は、さくちゃん、なの？リュウト、じゃなくて？」
「あ…そっか。龍斗って呼んだ方がいい？」
彼はしばらく押し黙っていたが、静かにかぶりを振った。
「ここに来る、大人は皆、僕を龍斗って呼ぶけど。
さくちゃん、の方が、落ち着く…かも」
大光は「じゃあ作ちゃんって呼ぶ」とにっこりした。
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LIKKA(プロフ) - →いつも励まされております。これからも未熟ですが楽しんでいただけたら感無量です。 (2020年5月28日 0時) (
レス) id: 39c1d8fd7b (このIDを非表示/違反報告)
LIKKA(プロフ) - 呑さん» いつもありがとうございます！また勿体なきお言葉を…岸くん確かに何気に初ですね、今回メンカラ紫祭りです。アイムドール、本当にすみませんでした。続き書こうと思っていたのですが事情があってちょっと変化させました。それでも楽しんでくださって→ (2020年5月28日 0時) (レス) id: 39c1d8fd7b (このIDを非表示/違反報告)
呑(プロフ) - LIKKAさんのお話は全部苦しいくらいに好きで好きで仕方ないのですが、このお話本当に大好きです。個人的にLIKKAさんの初岸くんに歓喜しております。アイムドールもドキドキしながら読んでいたので、そのドキドキを拾って頂いた気がしてます。大好きです！！！ (2020年5月27日 23時) (レス) id: 2d1b1a1819 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：LIKKA | 作成日時：2020年5月23日 1時
