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アイドル稼業って儲かるんだ、と稼業されている優斗はふかふかの絨毯を踏みしめ思う。
格調も敷居も高いようなふりをしたこのスイートルームしかないフロアにどれだけ汚い欲望が渦巻いているのか。
知らない方が幸せだったことは、たくさんある。
もう戻れないけれど。
優斗は登録済みの番号をタップした。
「あ、岸くん。
今日の8時って誰か来る？1人で飲みたいんだけど。…うん、じゃあお願い」
電話を切って、目の前のドアフォンを押す。
部屋番号が書かれたドアがキィッと開いて、グループプロデューサーの東雲が顔を出した。
ぐい、と抱きしめられると加齢臭とそれを誤魔化そうとして濃く付けた香水に思わず顔をしかめたくなる。
けれど優斗はにこりと微笑む。
そうやって、自分を殺して人形になる。
それがアイドル、だと教えてくれたのは他ならぬ東雲だった。
＿＿＿＿夢を見せたいなら、人間じゃだめだ。ファンにとっての理想の偶像に、人形になるんだ＿＿＿＿
偉そうにアイドル論を述べていたくせに、結局自分と寝た優斗には歌割りを多めに与えている。
現金な奴。でもそんな奴に良いようにベッドの上で弄ばれる自分はもっと惨めだ。
そういう時、また優斗は人形になる。
人間の感情を殺すのだ。
大丈夫、こんなの何でもない。
終わったらすぐに岸くんの部屋へ行って、忘れられるまで、人間に戻れるまで酒を飲めばいい。
芸能界で生きる術を教えてくれたのは、紫耀だった。
「にしても、物騒だな」
「…何がすか？」
「宮澤のことだよ」
「あぁ…自./ 殺、でしたっけ」
「どうだか。だって凶器に誰の指紋も無いっておかしいだろ」
「…まぁ、確かに」
先月、Dreamingをよく撮っていた映像監督が自室で頸動脈を切って亡くなっているのが見つかり、ちょっとした騒ぎになっていた。
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LIKKA(プロフ) - →いつも励まされております。これからも未熟ですが楽しんでいただけたら感無量です。 (2020年5月28日 0時) (
レス) id: 39c1d8fd7b (このIDを非表示/違反報告)
LIKKA(プロフ) - 呑さん» いつもありがとうございます！また勿体なきお言葉を…岸くん確かに何気に初ですね、今回メンカラ紫祭りです。アイムドール、本当にすみませんでした。続き書こうと思っていたのですが事情があってちょっと変化させました。それでも楽しんでくださって→ (2020年5月28日 0時) (レス) id: 39c1d8fd7b (このIDを非表示/違反報告)
呑(プロフ) - LIKKAさんのお話は全部苦しいくらいに好きで好きで仕方ないのですが、このお話本当に大好きです。個人的にLIKKAさんの初岸くんに歓喜しております。アイムドールもドキドキしながら読んでいたので、そのドキドキを拾って頂いた気がしてます。大好きです！！！ (2020年5月27日 23時) (レス) id: 2d1b1a1819 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：LIKKA | 作成日時：2020年5月23日 1時
