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｢人間、このマグカップがいい｣
ペアのマグカップを指差し、私の事を人間だなんていつまでも呼ぶものだからそろそろ私も限界だ。
私にだって名前があるのだから名前で呼んでくれたっていいじゃないか。
意を決して怖い悪魔との生活に慣れようとはしているのだから。
｢あの、いい加減その“人間”って呼び方やめません？私だって名前あるし、私も貴方の名前聞いてないし｣
｢志麻。お前の名前は？｣
｢A、です。志麻…志麻さん…志麻くん…｣
｢何そんなに名前呼んでんて｣
｢呼び方どうしようか悩んでたんです！まーしぃでどう！？｣
｢好きにすればええんとちゃう？｣
どこまでも素気なくてどこまでも私に対して無関心な彼に少し寂しくなって口を出してしまう。
｢何で返事が素気なくて、私に無関心なんですか！｣
｢はぁ？無関心とか趣味じゃないわ。せめて素気ないってことにしとってや｣
｢あーそうですか！じゃあ素気ないまーしぃ！何でわざわざペアのマグカップなんて買おうとしてんですか｣
まーしぃのことを怖いと言う割には、私も大概舐めているような、怖がっているような素振りを見せない言動だ。だが、そんなのはどうでもいい。
問題は何故ペアのマグカップなのかと言うこと。
今日はまーしぃの食器や家具の買い物をしに来たと言うのにわざわざペアのものを買う必要なんて無いだろう。
｢別にええやん。何でも。俺がお前の事を躾けてやってんねんから口応えすんなや｣
｢はぁ！？躾けて貰った覚えないです！｣
｢ええからそれ買え｣
｢はいはい、買ってあげますよーだ！｣
何だかんだ言いながらも、彼の言葉に素直に従ってしまう自分がドＭか何かの類に思えてきてしまって｢うえぇ…｣と声が出そうになったため、その考えを払拭する。
マグカップは淡い紫色に、黒いリスが対になるように描かれている可愛らしいものだった。言動とは裏腹にリスでも好きなのだろうか。
レジで直ぐに支払いを終えて、今日二つ目の紙袋を手にぶら提げる。
女子が荷物を持っているからこれぐらい持ってくれてもいいだろうが、そんな気が利かないのはこの悪魔がサディストで怖いからだろうからか。
｢A。ちょっとこっち来い｣
｢な、なんですか｣
首を軽く後ろに居る私の方向に向けて前を歩く彼に恐怖心を抱きながらも、私は彼の横に歩いて行く。
｢荷物。持ってやるよ感謝せぇ｣
思いもしない、彼の行動に少し格好いいと思ってしまった自分が馬鹿馬鹿しい。
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ピナの - simaではなくてshimaですよー (2019年7月30日 10時) (
レス) id: e6da5b9f38 (このIDを非表示/違反報告)
とぅーかわ(プロフ) - 志麻さん､､､あれ？かっこいい､､､え？こんなにサドで素っ気ないに､､､え？？好きです（更新頑張ってください） (2019年7月16日 15時) (レス) id: 819a8b2ac3 (このIDを非表示/違反報告)
冬月@リス - 1コメ！志麻さん最高過ぎます……。 全くもう…惚れ直した(( (2019年7月8日 19時) (レス) id: fafc33f615 (このIDを非表示/違反報告)
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