1.アメジストの瞳が。 ページ1
さして面白くもない会社から満員電車の中を揺られながら帰り、家の扉の鍵を開けようと鞄の中を漁る。
見慣れた鍵が手中にあり、それを使って家の鍵を開ける。
辺りは通勤ラッシュと言うことを主張するかのように沢山の車が走っており、会社から帰ってきた家族を迎え入れようとしている子供の姿が目に入った。
｢今日も疲れたなぁ…｣
一人で呟きながら履きなれたハイヒールを脱ぎ、そのまま空腹のお腹を擦りながらリビングへ足を進める。
大好きな家族から離れて一人暮らしをして早一年。ただいま、と言って返って来ることのない生活に飽き飽きしていた。そして何よりも寂しい。
｢おかえり。嬢ちゃん｣
｢…えっ、幽霊…？｣
確かにおかえり、と言う言葉が欲しいけれど幽霊はごめんだ。
ホラーだなんてものが大の苦手な私は震えながらも恐る恐る足を進めた。
｢幽霊ちゃうわ。悪魔や人間。｣
｢あ、悪魔…？幽霊と一緒？｣
｢幽霊と一緒な訳あるか｣
幽霊かと思いきや悪魔だと言う怖そうな仏頂面の怖い見た目をした彼にビクビクと肩を震わす。
幽霊でも悪魔でも、どちらにせよ私が死ぬことに変わりはないのでは無いだろうか。
嫌だ、こんな所で悪魔だなんてものに呪われて死ぬなんて嫌だ。
すると、悪魔が｢おい｣と不機嫌そうな声を出しながら私の肩を掴んで来た。
…え？掴んで……＿＿＿＿？
｢うっわぁぁぁあああ！？何で掴むの！？殺さないで！！いやだ！怖い怖い怖い！｣
｢いや殺さへんわ！お前が俺呼んだんやろ！｣
｢何で！私呼んだ記憶ない！いやだ！悪魔とか怖いいやだ！｣
呼んだとは何だ、悪魔とは何だ。
私はこんな怖い人を呼んだ記憶はないし、彼が言うことが本当ならば悪魔だなんて以ての外だ。
私の頭の中は｢怖い｣と言うたった一つの単語だけで埋め尽くされてしまっていた。
｢いくらなんでも取って食ったりだなんて真似せぇへんわ｣
｢嘘嘘！嘘だ！しかも、悪魔だなんて信じない！ストーカーか何かですか！？今すぐ出て行かないと通報しますよ！？｣
｢信じてくれへんか…じゃあこれ見とけや｣
そう言ったかと思えば、彼のアメジストの瞳が更に怪しく輝き出す。
何だ、これ。見たこと無い。人じゃ、ない。
本能がそう訴えていた。
人じゃないと私の脳が身体に命令をしていた。警告のような。
やがて、彼の指の先から見たことも無いような紫の液体が出てきて、あろうことかその液体を操る手を私の方に向けて来たのだった。
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ピナの - simaではなくてshimaですよー (2019年7月30日 10時) (
レス) id: e6da5b9f38 (このIDを非表示/違反報告)
とぅーかわ(プロフ) - 志麻さん､､､あれ？かっこいい､､､え？こんなにサドで素っ気ないに､､､え？？好きです（更新頑張ってください） (2019年7月16日 15時) (レス) id: 819a8b2ac3 (このIDを非表示/違反報告)
冬月@リス - 1コメ！志麻さん最高過ぎます……。 全くもう…惚れ直した(( (2019年7月8日 19時) (レス) id: fafc33f615 (このIDを非表示/違反報告)
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