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猪狩「えっ、もしかして瑞稀くんとはしもっちゃん!?」
涼「久しぶり、がりさん」
瑞稀「これからはいっぱいお世話になるよ」
猪狩「合格したんだ!おめでとう!」
お祝いに、とクリームソーダをテーブルに置いてくれた。
猪狩「これで常連が増えるー」
涼「おいっ」
猪狩「うそうそ。暇だからさ、喋りにきてよ」
お客さんは相変わらず俺らしかいなくて、
暇そうながりさんと話していると、ドアのベルが鳴った。
瑞稀「優斗くんかな?」
振り向いてドアのほうをみると、制服を着た、どこか不思議な雰囲気を醸し出している男の子が立っていた。
猪狩「あ!さくちゃんー!」
ぱあ、と笑顔になったがりさんが男の子のもとへかけていく。
作間「やっほー。あ、コーヒーで」
猪狩「はいはい、わかってるよ」
そんな簡単なやり取りをしたあと、がりさんはカウンターの奥へいき、サクチャン、と呼ばれた男の子はカウンター席に座った。
そしてチラリと俺らをみて、小さく会釈をしてきた。
俺と涼も同じように返すと、サクチャンは机いっぱいに教科書や参考書を広げてペンを走らせた。
涼「都会の高校生は大人っぽいよなあ」
瑞稀「ああ、だね」
じわじわとクリームソーダのアイスが溶けて、緑色の炭酸と混ざってきたとき、今度こそ優斗くんがお店に入ってきた。
優斗「お待たせ!………って、さくちゃん!」
カウンターにいるサクチャンに気付いた優斗くんは、後ろから抱きついた。
作間「優斗、久しぶり」
優斗「最近タイミング合わなかったよなあ」
作間「春休みだったしね」
優斗「あっ、そうだ。………瑞稀くん!はしもっちゃん!」
優斗くんに呼ばれて、ふたりのもとへ行くとサクチャンがくるりと振り向いた。
………なんだろう。この感じ。
高校生のはずなのに、制服が何故か不似合いで。
少しつり上がった猫のような目は、どこか遠くをみているような、曇った瞳をしていた。
優斗「さくちゃん、こいつらは、俺と同じ学科の後輩!瑞稀くんとはしもっちゃん。多分ここにもよく来るようになるから、よろしく」
サクチャンは俺と涼を交互に見つめてから、薄い唇を開いた。
作間「作間龍斗です。………さくちゃん、って呼ばれてるんで、それで。高校2年です」
よろしくお願いします、と頭だけ下げた。
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神ちゃん愛ing - 初コメ失礼します。涼君と瑞稀君の一途さがめっちゃ切ないし、キュンキュンします!!更新楽しみにして待ってます!! (2018年10月22日 23時) (レス) id: bdc8cbeed4 (このIDを非表示/違反報告)
J7BR(プロフ) - めっちゃキュンキュンするし、切ないし、続きが読みたくなります!!更新頑張ってください(*^^*) (2018年10月20日 13時) (レス) id: 0f3307a83f (このIDを非表示/違反報告)
saku(プロフ) - ポップコーンさん» コメントありがとうございます。たったいまポップコーンさんの作品を読んでいたのでコメント来ててびっくりしちゃいました( ; ; )!嬉しいです!更新がんばります。ありがとうございます! (2018年10月11日 20時) (レス) id: a83f71fbfd (このIDを非表示/違反報告)
ポップコーン(プロフ) - 涼くんの真っ直ぐさも大好きなのですが、瑞稀くんの切なさが…ぐさぐさきます…龍斗くんの闇堕ち感ハマっちゃいます!!!!更新楽しみにしています! (2018年10月11日 8時) (レス) id: af868719a5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:saku | 作成日時:2018年10月3日 0時