19 yuto ページ19
.
優斗「A、おい」
何度名前を呼んでも、ぼーっと遠くを見つめているAの肩を揺すると、はっと俺をみた。
「あっ、ごめん、優斗。どうしたの？」
優斗「いや、出席カード回ってきてる」
「あ、ほんとだ。ごめん、ありがとう」
出席カードに名前を書いて、後ろに回したのを見届けて、Aに声をかける。
優斗「お前さぁ、最近どうしたの？」
「えっ？別に、なにも」
優斗「んなわけないだろ。つか、俺には嘘つかなくていいから」
じっと見つめると、Aは、目を逸らした。
「………ありがとう。でも、ほんとに、」
優斗「はしもっちゃんと瑞稀くん？」
「え、」
………やっぱり。
あのふたりに会ってから、Aも瑞稀くんたちも、おかしい。
優斗「知り合いなの？」
「っ、し、知らない」
優斗「………………………そう。まあ、俺は、無理矢理聞こうとは思わないし、Aがそういうなら、そう思うことにするよ」
その言葉に、ほっと安心したような顔をみせる。
優斗「でも。もし、Aが辛くなって、吐き出したくなったら、限界が来る前に俺に言うこと」
「優斗………ありがとう。ほんとに、優斗は優しいね」
………優しくなんてないのに。
俺は、Aが瑞稀くんたち
嫉妬で醜い男なのに、君はいつも俺を優しいねという。
Aは出会ったときから、どこか瞳が曇っていて、放っておいたら消えてしまいそうな雰囲気だった。
だから、必死にいつでも近くにいて、Aの味方でいようとした。
たぶん、Aのなかで俺は、いちばんの味方なんだろうけど、でも、Aの瞳が俺を映すことはない。
………きっと、忘れられない誰かがいるんだろう。
それでも、君を諦められない俺は、
優しくなんてないし、カッコ悪い男だよ。
………でも、俺は、君の瞳の曇りを晴らして、俺が映るまで、待つ気でいるから。
．
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 1181人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「HiHiJets」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
神ちゃん愛ing - 初コメ失礼します。涼君と瑞稀君の一途さがめっちゃ切ないし、キュンキュンします!!更新楽しみにして待ってます!! (2018年10月22日 23時) (
レス) id: bdc8cbeed4 (このIDを非表示/違反報告)
J7BR(プロフ) - めっちゃキュンキュンするし、切ないし、続きが読みたくなります！！更新頑張ってください(*^^*) (2018年10月20日 13時) (レス) id: 0f3307a83f (このIDを非表示/違反報告)
saku(プロフ) - ポップコーンさん» コメントありがとうございます。たったいまポップコーンさんの作品を読んでいたのでコメント来ててびっくりしちゃいました（ ; ; ）！嬉しいです！更新がんばります。ありがとうございます！ (2018年10月11日 20時) (レス) id: a83f71fbfd (このIDを非表示/違反報告)
ポップコーン(プロフ) - 涼くんの真っ直ぐさも大好きなのですが、瑞稀くんの切なさが…ぐさぐさきます…龍斗くんの闇堕ち感ハマっちゃいます！！！！更新楽しみにしています！ (2018年10月11日 8時) (レス) id: af868719a5 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：saku
| 作成日時：2018年10月3日 0時
