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瑞稀「ごめん。どうしても聞きたいことがあって」
俺と涼は、バイト前のがりさんに会いに、授業を切って高校に行った。
猪狩「俺は別にいいけど………店でよくない?」
涼「さくちゃんが来たら話せないから」
その言葉に、この間のことを思い出したのか、そう、と頷いた。
3人で近くのカフェにはいって、コーヒーを頼む。
猪狩「ウチの店の方が美味いな」
涼「間違いない」
瑞稀「まあ、閑古鳥鳴いてるけどね」
他愛もない話をして、少しコーヒーを飲んだ俺らは、本題に入った。
涼「聞きたいことってのはさ、」
猪狩「うん」
涼「さくちゃん………とさくちゃんのお姉さんの関係なんだけど」
猪狩「関係?」
瑞稀「なんていうか………さくちゃんって、いつからお姉さんがいたの?」
猪狩「え?それ、さくちゃんに聞いたの?」
話したのか………なんて驚いてるがりさんに、もう少し深く聞いてみようと涼が前のめりになった。
涼「いつからか、わかる?それと、どんな人か」
猪狩「うーん、確か俺らが中1のときだから………4年前の、………そうだ、夏だったかな。お姉さんは………見たことないからよくわかんないけど、さくちゃんの話を聞いてる限りだと、凄く優しくて、さくちゃんを大事にしてくれてるみたい。さくちゃんもお姉さんのこと、凄く大事にしてるよ」
4年前の夏。
思い出そうとすると、苦しくなって、切なくなるから、記憶から消していた、あの日。
また、思い出して、どくんどくんと心臓が脈打ちはじめた。
涼「なんで、A………お姉さんが、さくちゃんちに来たかとかわかる?」
猪狩「さあ、それまでは。でも、さくちゃんの家、凄いお金持ちだからさ、何か大きな理由があって、引き取ったとかなんじゃない?」
俺はここまでしか知らないよ、ってコーヒーを飲んだ。
瑞稀「じゃあ、あれはやっぱり………A」
猪狩「ん?」
瑞稀「いや、なんでもない。ありがとうがりさん」
猪狩「いーえ。………あ、一応、俺から聞いたとかさくちゃんに言わないでね」
涼「約束する」
じゃあねっ、と鞄を持って、がりさんはバイトに向かっていった。
残された俺たちは、何も話さず、ただ目の前のコーヒーが冷めていくのを見つめていた。
………先に口を開いたのは、涼だった。
涼「さくちゃんちに引き取られた原因、か」
瑞稀「………調べよっか」
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神ちゃん愛ing - 初コメ失礼します。涼君と瑞稀君の一途さがめっちゃ切ないし、キュンキュンします!!更新楽しみにして待ってます!! (2018年10月22日 23時) (レス) id: bdc8cbeed4 (このIDを非表示/違反報告)
J7BR(プロフ) - めっちゃキュンキュンするし、切ないし、続きが読みたくなります!!更新頑張ってください(*^^*) (2018年10月20日 13時) (レス) id: 0f3307a83f (このIDを非表示/違反報告)
saku(プロフ) - ポップコーンさん» コメントありがとうございます。たったいまポップコーンさんの作品を読んでいたのでコメント来ててびっくりしちゃいました( ; ; )!嬉しいです!更新がんばります。ありがとうございます! (2018年10月11日 20時) (レス) id: a83f71fbfd (このIDを非表示/違反報告)
ポップコーン(プロフ) - 涼くんの真っ直ぐさも大好きなのですが、瑞稀くんの切なさが…ぐさぐさきます…龍斗くんの闇堕ち感ハマっちゃいます!!!!更新楽しみにしています! (2018年10月11日 8時) (レス) id: af868719a5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:saku | 作成日時:2018年10月3日 0時