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だらだら。
その言葉がピッタリすぎるくらい、わたしは暇をもて余していた。
海とかプールに行きたいけど、暑いという気持ちが勝ってしまい、やっぱり家から出られない。
………………優斗の家でも行って、ゲームしようかな。
優斗に連絡すると、向こうも暇だったのか、直ぐに既読がついて「いいよ」と言われた。
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優斗「ったく、お前夏休み俺んち来すぎ」
「暇なんだもん!おじゃましまーす」
玄関でこのやり取りをするのは、何度目だろう。
優斗の両親は、相変わらず忙しいみたいで、優斗も毎日ひとり。
優斗「あ、飲み物持ってくから先部屋いってて」
「はーい」
階段をのぼって、優斗の部屋に入ると、壁や棚には、今までの野球で取った賞状やボール、色紙が飾られている。
「………え?」
さりげなく見た、優斗の勉強机の上。
そこには、わたしたちには縁のないと思っていた他大学の赤本が置いてあった。
………………優斗、もしかして、うちの大学に行かないの?
不安に脈打つ心臓。
そして、優斗がお茶が入ったコップをもって、部屋に入ってきた。
優斗「よし、今日は、なにする?」
「優斗………」
優斗「ん?」
カラン、と氷の溶ける音が響いた。
「大学受験するの?」
赤本を指差すと、はっとしてから、ゆっくりと目を伏せた。
優斗「………うん、そのつもり」
「なん、で?うちの大学に行くっていってたよね?」
優斗「甲子園の日………俺は、やっぱり野球がやりたいって思った。だから、もっと野球が強い大学にいきたい」
「でも、ここ、優斗には厳しいんじゃ、」
優斗が目指してる大学は、かなり偏差値が高く、相当勉強しなきゃ、………いや、しても優斗には厳しいかもしれない。
優斗「………わかってる。でも、諦めるの嫌いだからさ」
そういって笑う優斗は、甲子園の時のように、まっすぐな瞳を輝かせていた。
………………そうだよね。優斗の夢、応援してあげなきゃ。
わたしは、いつでも優斗の味方でいたいから。
「………わかった。わたしも協力する。英語なら教えられるから、いつでも頼ってよ」
優斗「A」
「あと、息抜きにも付き合うから!」
優斗「………ありがと。よし、じゃあ息抜きとして、今日はパワプロ付き合って貰うか」
「負けたらアイスね」
優斗が、遠くなるようで不安だけど、
ずっと………応援するから。
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作間ナナコ - こんなに胸がときめく恋愛小説ははじめてです。HiHi Jets5人とその他の登場人物との関係性や、主人公が見る景色、感情全てが自分の思いと重なり、感動しました!特に甲子園のシーンは気持ちが入って思わず涙が出てしまいました。この小説に出会えてよかったです! (2019年4月4日 2時) (レス) id: 012e34ef65 (このIDを非表示/違反報告)
HiHi Jetsとsexy美少年が大好きな女の子 - 作ちゃんとのデートとかマジで最高じゃん!!しかもゆうぴーは私の幼馴染で中学生の頃にゆうぴーが私のことが好きで、でも私は顕嵐くんのことを憧れててでも、作ちゃんが私のことが好きで、祭りに誘ってくれてそれで何日か経った後に作ちゃんが告られなんて幸せものなの (2019年1月26日 17時) (レス) id: 223725d32c (このIDを非表示/違反報告)
saku(プロフ) - Melody.*☆さん» コメントありがとうございます。作間くんのかっこいい部分と可愛い部分を引き出せたならよかったです!新作も頑張ります。ありがとうございました! (2018年9月20日 0時) (レス) id: a83f71fbfd (このIDを非表示/違反報告)
Melody.*☆(プロフ) - 完結おめでとうございます!!主人公の子に一途に恋する龍斗くんが本当に可愛かったし、カッコ良かったです!!素晴らしい作品に出会えて良かったです!!新作も楽しく読ませていただきます!! (2018年9月19日 22時) (レス) id: c3f50f20db (このIDを非表示/違反報告)
saku(プロフ) - 姫華さん» コメントありがとうございます。たくさん褒めていただき、とっても嬉しいです!励みになります。これからも頑張ります。ありがとうございました! (2018年9月19日 1時) (レス) id: a83f71fbfd (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:saku | 作成日時:2018年9月8日 13時