26 s ページ26
.
俺らの高校の試合が終わり、スタンドから拍手を送っていたとき、隣にいたAさんが、突然席から飛び出した。
………きっと、優斗くんのところに行ったんだろう。
試合中だって、優斗くんが出る度に、手をぎゅっと握りしめて、「優斗、頑張れ」って呟いていた。
もう一度、グラウンドに視線を戻して優斗くんを探したら、いつもより、何倍もかっこよかった。
作間「全然………敵わないや」
猪狩「さくちゃん、」
心配そうに俺を見つめる猪狩。
………わかってたはずなのに、やっぱり、苦しい。
猪狩「………………俺らもさ、優斗くんのところ行こ」
作間「………………………………うん」
どんどん、Aさんが遠くなる。
.
選手の出入り口に着くと、選手たちの親や友達、彼女らしき人たちで溢れかえっていた。
そのなかで、ただ、一点を見つめて、拳を握りしめて選手たちが出てくるのを待つ女の子。
涼「Aさん………」
さすがのはしもっちゃんでも、今の雰囲気のAさんに近付くことは出来ないみたいで、戸惑いながら立っていた。
井上「あ、来た」
瑞稀くんの声に視線をうつすと、泥だらけになった選手たちが涙を流したり、目を赤くしながら待つ人々のところへ向かっていく。
そのなかで、優斗くんは、家族を探すこともせず、Aさんのもとへ、ゆっくりと歩いていった。
猪狩「優斗くんの家族、来てないらしい」
猪狩の言葉は、右から左に流れる。
優斗くんは、そのまま、Aさんを抱き締めて、涙を流した。
まるで、ふたりしかいないんじゃないかという錯覚を起こすような世界が出来ていて、それはドラマのワンシーンのようで美しかった。
涼「さくちゃん………」
やっぱり、ふたりはもう付き合っているのだろうか。
そんなことをぼーっと考えながらふたりを見ていると、
優斗くんがパッとAさんから離れて、ふたりは何か言い合って、笑っていた。
………………どうやったって、敵うわけないんだ。
.
1666人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
作間ナナコ - こんなに胸がときめく恋愛小説ははじめてです。HiHi Jets5人とその他の登場人物との関係性や、主人公が見る景色、感情全てが自分の思いと重なり、感動しました!特に甲子園のシーンは気持ちが入って思わず涙が出てしまいました。この小説に出会えてよかったです! (2019年4月4日 2時) (レス) id: 012e34ef65 (このIDを非表示/違反報告)
HiHi Jetsとsexy美少年が大好きな女の子 - 作ちゃんとのデートとかマジで最高じゃん!!しかもゆうぴーは私の幼馴染で中学生の頃にゆうぴーが私のことが好きで、でも私は顕嵐くんのことを憧れててでも、作ちゃんが私のことが好きで、祭りに誘ってくれてそれで何日か経った後に作ちゃんが告られなんて幸せものなの (2019年1月26日 17時) (レス) id: 223725d32c (このIDを非表示/違反報告)
saku(プロフ) - Melody.*☆さん» コメントありがとうございます。作間くんのかっこいい部分と可愛い部分を引き出せたならよかったです!新作も頑張ります。ありがとうございました! (2018年9月20日 0時) (レス) id: a83f71fbfd (このIDを非表示/違反報告)
Melody.*☆(プロフ) - 完結おめでとうございます!!主人公の子に一途に恋する龍斗くんが本当に可愛かったし、カッコ良かったです!!素晴らしい作品に出会えて良かったです!!新作も楽しく読ませていただきます!! (2018年9月19日 22時) (レス) id: c3f50f20db (このIDを非表示/違反報告)
saku(プロフ) - 姫華さん» コメントありがとうございます。たくさん褒めていただき、とっても嬉しいです!励みになります。これからも頑張ります。ありがとうございました! (2018年9月19日 1時) (レス) id: a83f71fbfd (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:saku | 作成日時:2018年9月8日 13時