赤の癒しの姫 (ページ7)

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Episode5 ページ7

ｰEpisode5ｰ

弾き終わり､多々良が口を開いた

多々良｢また上手くなった？
弾いてる俺まで聴き惚れたよ｣

アンナ｢(人1)の歌､きれい…大好き｣

A｢ありがとう｣

嬉しそうに微笑み乍もずっと尊の頭を撫でていた

美咲｢何か心にじーんと来た！｣

赤城｢本当に綺麗だった｣

鎌本｢もっと歌って欲しいな！！｣

坂東｢な！なんか幸せだった｣

千歳｢やっぱさすがA！
吠舞羅の癒しの姫！アンナも癒しだけど！｣

A｢な､何か恥ずかしい…｣

少し頬を赤らめたAはそれを隠すために
俯いた､そしてAの肩にかかっていた髪の毛が
サラサラと肩から落ちた､すごく綺麗で
みんなそれに見惚れてしまった

そんな中その髪の毛をそっと手に取った尊
その髪を優しい目で見つめた

A｢…尊…？｣

尊はその髪を持ったまま目を瞑った

そんな柔らかい雰囲気の中に
小さな嵐が近づいていた

礼司｢おや､こんな所で奇遇ですね｣

猿比古｢…ﾁｯ｣

礼司｢とても綺麗な音色が聴こえたので
来てみれば､やはりAさんでしたか｣

A｢礼司…久しぶりだね｣

礼司｢はい､お久しぶりです｣

そう言ってAは礼司を見上げた
礼司もまたAを見つめて微笑んだ

美咲｢何で青服がこんな所にいんだよ!!!?｣

そう言って美咲は喧嘩を売るように
大声で威嚇を始めた
尊はそんな事はお構い無しに目を瞑ったままだった

アンナ｢ミサキ､ミコト寝てる…｣

アンナは“しー”と美咲に向って
自分の口元に人差し指を立てた

出雲｢八田ちゃんも少し落ち着きや？｣

A｢……｣

美咲｢す､すんません…｣

アンナ｢(人1)､眠いの？｣

少しピリピリした空間の中
“カクン”となりかけたAにアンナが問う

A｢ん…眠い…｣

眠そうなAの髪の毛を風が撫ぜる
それは女の人でも見惚れる程の綺麗さだった

A｢アンナ…一緒に寝よう？｣

アンナ｢うん､一緒に寝る｣

アンナはAと尊の側により
Aの隣に腰掛けた

多々良｢そういうと思ってブランケット持って来たよ｣

多々良はそう言ってブランケットを取り出し
まず１枚はアンナにそしてもう1枚はAに…
そして最後に尊に１枚。

ぽかぽかした日差しの中
2人の姫はどんどん眠くなって来たようで
後ろの木に背中をあずけお互い寄り添い
寝始めた…そしてそれはとてもこの場の雰囲気を
暖かくした。

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