赤の癒しの姫 (ページ46)

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Episode42 ページ46

ｰEpisode42ｰ

少し時間が経ちその2人の上に…否､皆の上に雪が降り始めた
そんな時アンナが2人の元へ向かい
2人の寝ている所へ登ろうとするも石が壊れ落ちそうになってしまった

アンナ｢あ…｣

そんなアンナの服を掴み尊が引き上げた

尊｢何やってんだ…｣

アンナ｢ミコトの上に雪が積もってたから…｣

尊｢だからなんだ…｣

アンナは尊の身体をじっと見詰め乍言った

アンナ｢ミコトの赤が見えなくなると…困る。｣

それを聞いた尊は自分の身体を力を使い雪を蒸発させた
じっと見詰めていたアンナはAの手をそっと握り

アンナ｢ミコトの赤が1番きれい…(人1)もそう言ってた…｣

Aの手を握った侭尊の傍にそっと横たわったアンナ
雪の降っている中で心配したのか尊が小さく口を開いた

尊｢寒くねぇのか…?｣

アンナ｢ミコトの傍は暖かい…
ミコトの傍だけが…暖かい…｣

そう言ってそっと目を伏せたアンナ
Aはアンナの手の温度｡尊の温度を感じ少し和らいだ表情になっていた

A｢…尊……多々良……｣

そう囁くAの瞳には一筋の涙が流れ落ちた
尊は自分の身体の限界を感じ取っているAを心配していた

そこへ聞き慣れた声が聞こえてきた

出雲｢ええ御身分やな､臣下が駆けずり回っとるのに…王様はずっとゴロ寝か…｣

尊｢王はそう言うもんだろ…｣

出雲｢お前の王様像はちょっと間違ってる
…ま､一緒に働けとは言わんけどな…
…待っとるんか?｣

尊｢…嗚呼…｣

出雲｢動くと思うか?｣

尊｢…嗚呼｣

出雲｢うん､まぁ…しがない凡人はその前に捕まえるよう努力しますわ｣

そう言って苦笑いしながら尊達の寝転ぶ近くの石へ腰掛けた

出雲｢十束と初めて会うた時はこの餓鬼足りないんかと思うたよな
触るな危険って感じやったお前に馴れ馴れしくて
王様の家来になるとかぬかして…

なのに､お前は文字通りの王になってしもた
俺はお前が人を守ったり､束ねたりする様な柄や無くて
爆発したがりの爆弾やと思うとったんやけど
十束にはちゃうもんが見えてたんかな…｣

尊｢…ふ…十束より､お前の方が正しいさ｣

出雲｢だとしても､王になってからのお前は爆発する為の爆弾や無く､守るべきものを守る為に撃ち抜く銃になっとたわ
お前とお前の周りに集まった連中とあないな愉快な時間が過ごせるとは最初は思ってもみぃへんかったわ｣

尊｢痒ぃ事言ってんじゃねぇよ、｣

そう言ってゆっくり背を向けた

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