赤の癒しの姫 (ページ5)

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Episode3 ページ5

ｰEpisode3ｰ

周りの人がこちらを見て何かを言っていた
Aはそれをちょうど聞こえてしまった

通行人1｢え､何あの人たち…何か怖くない？｣

通行人2｢本当だ…え､つか､女の子学生だよね？
何で行ってないんだろ？｣

通行人1｢どう見たって変な子じゃん
いじめられるから学校いけないんじゃない｣

通行人2｢あはっ…確かに…｣

A｢…僕ってそんなに変かな…｣

Aはその2人の話を聞き誰にも聞こえない声で
ぼそっと口から零してしまった
Aは少しショックを受け下を向いていた

通行人1｢あ､もしかして聞こえた感じ？｣

通行人2｢やばっ…行こ？｣

そう言ってその場を後にした2人を見つめ
Aは下をまた見た

A｢……(…気にしてもしょうがない…けど
やっぱショックだなぁ)｣

尊｢…気にすんな｣

尊はそう言ってAの頭にそっと手を置いた
Aはその手の暖かさがとても大好きだった
不器用だがいつもみんなの中心の“赤の王”尊が
Aは大好きだった

A｢うん､ありがとう｣

自分の頭の上に乗った手にそっと触れ
嬉しそうに微笑み
それを見た尊もまた“フッ”と小さく笑った

多々良｢さ！バスに乗って！｣

多々良はエスコートする様にAとアンナに
そっと手を差し出した
2人はその手をそっと握った

出雲｢んで､十束どこ行くん？｣

多々良｢え？決めてないよ？
ほら､行き当たりばったりって良くない？｣

出雲｢アホか！何考えとんねん！！｣

A｢出雲､ここで怒っちゃダメだよ？ね？｣

出雲の袖を“クイクイ”と引っ張り

出雲｢せ､せやな…すまん｣

A｢んーん､でも､行き当たりばったり
楽しそうだよ？ね？アンナ｣

Aはそう言ってアンナへ微笑み
アンナもそれに応える様に微笑み

アンナ｢うん､楽しそう｣

出雲｢さよか？ほんなら､ええんやけどな？｣

尊｢…こいつらが楽しきゃいいんじゃねぇの…｣

A｢僕らだけ？みんなが楽しむんだよ｣

尊｢そうか…｣

そう言ってそっとバスの椅子に体重を乗せ
そっと目を瞑った

アンナ｢ミコト､寝ちゃった｣

A｢そうだね､尊らしいね｣

アンナ｢うん､ミコトらしい。｣

そして､バスに揺られる事1時間
とても良さそうな場所についた

多々良｢あ､ここで降りようか！｣

A｢分かった､尊､尊
起きて､降りるって｣

尊はそっと目を開け“くあっ”と欠伸をし
立ち上がった

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