赤の癒しの姫 (ページ30)

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Episode27 ページ30

ｰEpisode27ｰ

翌日Aは起きる気配が無く
多々良はAのそばで看病をしていた

出雲｢…無色の王か…｣

尊｢…｣

美咲｢十束さんは少しの間ここに住むんすか？｣

出雲｢せやな､またいつ来るか分からんしなぁ｣

尊｢２人一緒にいた方が守りやしぃ｣

出雲｢それに…今のAには誰かそばにおらんと…｣

アンナ｢ミコト…私も無色の王…探す｣

アンナはそう言って尊の袖を引っ張り

尊｢…ﾌｯ…頼んだぞ…｣

出雲はBARの2階へ上がりAの部屋に行って
多々良に今決まっているこれからの事を話す

出雲｢十束、今日から“無色の王”を探す
吠舞羅に手を出したんや、ただじゃ済まさんわ
んでや、十束はAと一緒に留守番や
それと…当分はここに住んでもらうで？ええな？｣

多々良｢うん、Aの事は任せてよ｣

Aの手をギュッと握りながら笑顔で言い
出雲も“頼んだわ”と言って軽く手を振り部屋を出た

多々良｢早く…目を覚ましてね…A｣

多々良はAのおでこにそっと自分のおでこを
くっつけ空いてる手でAを撫で
多々良はやはり心のどこかで自分を責めていた…

少してからアンナがAの部屋に入って来て

アンナ｢私も行ってくるね…
タタラ…大丈夫…ね？｣

多々良｢…俺…Aが居ないとダメだなぁ…
うん…ごめんね、アンナ｣

多々良は少し寂しそうに笑うものの
アンナがそっと笑うと安心した様に笑い
それを見たアンナも優しく微笑み
部屋を後にした

多々良｢ねぇ、今日はアンナの誕生日だね
A…早く起きて？じゃないとお祝い出来ないよ？｣

多々良｢Aが起きて…この騒動も収まったら
みんなで水族館行こうね｣

多々良はずっと声をかけ続けた
Aが起きたくなるように楽しい話
みんなでAが起きたらみんな喜ぶなど…
その声は寝ているAに届いているのかは
分からない…でも、多々良はかけ続けた

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￣￣￣￣…

その頃Aは真っ白な部屋の中にいた
その部屋はAが力を使った事により
Aの精神の中に出来る部屋。

A｢またこの部屋か…みんな心配してるかな…
寂しいな…｣

Aは足を抱えながら端で座っていた
そんな時にAは何か温かいものに包まれた感覚に
なった…その感覚はその白い部屋に影響し
真っ赤な部屋に変わった

そして微かに声が聞こえた…
温かい声が…

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