赤の癒しの姫 (ページ25)

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Episode23 ページ25

ｰEpisode23ｰ

A｢…多々良｣

多々良｢ん？どうかした？｣

A｢多々良のギター聴きたい｣

多々良｢ん、いいよ｣

多々良はギターを持ちゆっくりと弾き始めた
みんなが集まり穏やかな顔をした
Aもそっと目を伏せ音色を楽しんでいた
多々良もとても楽しそうにギターを弾き

出雲もその音色を聞きながらどんどん
Aの好きなものを作っていった

アンナはAの隣に座り
ずっとAに寄り添って座っていた
多々良の演奏もちょうど終わった頃…

出雲｢出来たでー！｣

その声を聞いて尊はAの膝から
ゆっくり起き上がり“くわぁっ…”と欠伸をした

多々良｢運ぶの俺も手伝うよ｣

鎌本｢俺も手伝うッス！｣

みんながAの近くに集まり料理を並べた
アンナも出雲にいつもの飲み物をみんなに配り

そしてみんなでAの方を向き

吠舞羅｢｢｢｢おかえり、A｣｣｣｣

A｢…へへ…ただいま｣

少し照れ臭そうに笑ながらも
みんなを見て満面の笑みで言った

出雲｢ほな、冷めないうちに食べ！｣

多々良｢はい、少しずつ俺が取るから言ってね｣

A｢うん、ありがとう多々良｣

楽しい時間というのはあっという間に
過ぎるもの…みんなで騒いでいたら
いつの間にか午後９時を回った頃

出雲｢もうこんな時間か…ほなお開きにしよか！｣

A｢僕も片付け手伝いたい…｣

ゆっくり立ち上がり出雲をじっと見つめたA。

出雲｢…無理せん程度にな？頼むわ｣

A｢！任せてよ｣

嬉しそうに微笑み片付けをみんなで始めた

アンナ｢ねぇ…今日(人1)と一緒に寝たい
ダメ？｣

アンナはそう言ってAの服の裾を引っ張り
Aはそれに気付き後ろを振り向き

A｢うん、僕もアンナと寝たい｣

片付けもすべて終わり
みんなが帰る時にAが多々良を呼び止めた

A｢…あ、多々良！｣

多々良｢ん？どうかした？｣

A｢うん、ちょっといい？｣

Aは多々良を連れてBARの外へ出た

A｢もう少しでさアンナの誕生日でしょ？
だから…前日とか…アンナにプレゼント…買いたいなって…｣

多々良｢じゃあ…2人で買いに行こうか！｣

A｢！うん！｣

とても嬉しそうに微笑み“また明日ね”と
2人で挨拶をしてからBARへ戻った

誰も思いもしなかっただろう…
近いうちに…この当たり前の日常が
少しずつ壊れていってしまうことが…

それは近くまで迫っていた…

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