赤の癒しの姫 (ページ14)

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Episode12 ページ14

ｰEpisode12ｰ

そんな昔の夢を見ていたA
とても暖かい気持ちにもなったが…
まだ､恐怖がすべて消えた訳では無い

もしかしたら一生消えないかも知れない
心の大きな傷。

ちょっと昔を思い出したら
見てしまう“悪夢”

そして､夜中…悪夢に魘され
目を覚ましたA､涙が頬を伝っていた
その涙を“尊”が拭った

A｢み…こと…っ…？｣

涙を流す少女の傍にそっと寄り添っていた
そう､尊はいつもAが泣いている時に
そうやって涙を拭ってくれる…

A｢…また…わかったの…？｣

尊｢あぁ…｣

A｢尊たちに…拾ってもらった…時の…夢｣

Aは頬にある尊の手をそっと握り
安心したように微笑んだ

尊｢…言ったろ､お前は何にも心配しなくていい…｣

A｢うん、僕には尊たちがいるもんね…｣

尊｢あぁ､側に居てやる､だから、もう寝ろ｣

A｢…うん…一緒に寝て欲しい…｣

尊｢…ん…｣

そう言ってAは少し横にずれ
尊がAのベッドに入り2人で目を瞑った
そしてAは尊の手を握ったまま眠りについた…

Aはその後悪夢を見なかった。

～翌日～

尊は目を覚まし
Aはまだ寝ていた

尊｢…ったく…まだ寝てんのか…｣

A｢……ん…｣

起きる気配が無い。これはいつも通り。
Aは相当頑張らないと起こせない。

そこへ“コンコン”と小さなノック

アンナがAを起こしに来たのだ

アンナ｢あ、ミコト…もしかして
また、(人1)たま泣いてた？｣

尊｢あぁ…｣

短く返事をして尊は起き上がった

アンナ｢…泣いた後…｣

そっとAの頬に触れた
それがくすぐったかったのか
Aは薄らと目を開けアンナと尊を見た

A｢…もう…あさ…？｣

アンナ｢うん､朝だから起きて？｣

A｢…ん…おき……｣

起きようとしたがたま寝てしまった
いつまでも起きてこないAを見に
多々良もAの部屋へやって来た

多々良｢や、おはよ。アンナ、キング
あれ？Aはまだ起きてないの？｣

アンナ｢１回起きたけど､また寝ちゃった｣

多々良｢なるほど…それにキングがここにいるって事は
昨日の夜また？｣

尊｢あぁ…そう簡単には消えねぇ…｣

アンナ｢…うん､でも､起こした方がいい？｣

多々良｢もう少し寝かせてあげる？｣

アンナ｢分かった､私Aと一緒に居る｣

尊｢頼んだぞ…｣

そう言って尊はアンナの頭をそっと撫でた

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