赤の癒しの姫 (ページ11)

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Episode9 ページ11

ｰEpisode9ｰ

Aはベッドに入りゆっくり目を瞑った
普段は夢をあまり見ないAだが
今日は久しぶりに昔の夢…というものを見た

それはAにとっては全く良くない“夢”
少女の過去は少女にとっては
あまりいいものでは無かった
何故なら吠舞羅に来る前のAは
酷い扱いをされていたのだから…

それは少女がまだ9歳の時の事…
少女は産まれてからずっと我慢し続けた。

～Aの夢(回想)～

A母｢…何で私たちの間からこんな
“バケモノ”みたいな子が産まれたのよ！？｣

A父｢そんなの俺が知る分けないだろ！？｣

Aは薄紫の瞳､白の毛先が赤の髪
整いすぎた顔立ち。そして変な力。
そのせいで親から暴力や暴言などを
毎日のように浴びせられていた

A｢…ごめんなさい…｣

A母｢…“バケモノ”はご飯なんか食べなくたって
へっちゃらよね？｣

A｢………はい………大丈夫です………｣

A父｢なら､さっさと自分の部屋へ入れ。｣

Aは返事をせず自分の部屋へ行った
体中の傷が毎日増える。
そのせいで学校にも行ったことがない。
それに行ったところで
Aの両親と同じ事をされるだけだと
少女は全てを諦めていた

少女は一回も泣いたことが無かった
涙の流し方､笑い方…怖い、疑問以外の感情
全てが分からなかった。

A｢悲しいって何だろう…
楽しいって何だろう…感情って何だろう…｣

そんな毎日を過ごしていたある日。

A母｢もう沢山だわ！！！
アンタの顔も見たくない！！！！
出てって！！！！｣

A父｢こんな“バケモノ”家にはもう
置いておけない！！！！｣

少女はとうとう捨てられた…
行く宛もない､頼れる相手もいない
裸足で雪の中､服1枚という格好で…

A｢…これは…何？
白くて冷たい…｣

そして何より少女は何も知らなかった。
一面に降り積もった“雪”の事さえも
どうしてこんなに自分の体が震えるのか
どうしてこんなに体に力が入らないのか
それすらも少女には分からなかった

そしてとうとう少女はその場に倒れた
ずっと歩いてたAは力尽きてしまった

…そこへ…

？｢おい…まだ生きてるか…｣

Aはその声に反応した。
薄らと目を開け起き上がろうとするが
少しも動けず､少女は意識を手放した

Aは何かふわっと身体が浮いた気がした
“あ､僕は死んだのだ”とそう思った…
そし知らない感覚に包まれた

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