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マ「すみません、お待たせしました。」
『あ、おはようございます。』
部屋に入ってきたマネージャーのつぼっちゃんの声で見ていたスマホの画面を落とす。
ちらっと机の上に置かれたスマホを見たつぼっちゃんが困ったような顔をする。
マ「まずスケジュールの変更があるので確認しますね。」
その言葉に心臓が音を立てる。
マ「今週末に予定されていたドラマの顔合わせなんですけど、」
『ダメになった?』
マ「…はい。今回は残念ですが。」
『そっか。ごめんなさい本当に。』
AAAの仕事がしたいと思っていた。
演技の仕事なんてやりたいと思ってなかった。
だけどAAAの活動が私に演技の機会をくれた。
最後は充実感にあふれていて、これが私のソロ活動だと胸を張れるように頑張りたいと思った。
それなのにその機会を失うのはやっぱり悔しくて悲しい。
何より私のために一生懸命仕事を取ってきてくれたつぼっちゃんに申し訳ない。
マ「ですがそれとは別に新しくドラマのオファーがきています。」
『…え?』
マ「しかもかなり重要な役で主役と同じくらいの出演量らしいです。」
つぼっちゃんがにこりと笑う。
マ「七瀬さんにぜひ、というご指名です。」
渡された紙にはこのあいだクランクアップしたばかりのドラマでお世話になった監督の名前。
こんな状況の時でも私を指名してくれる。
私を使ってくれる。
それがどれだけありがたいことか、今ならよく分かる。
『こんな時にオファーくれるなんて本当ありがたい。』
マ「こんな時に指名してもらえるってことは七瀬さんの演技を本気で認めてるってことです。自信持って下さい。」
お受けして良いですか?というつぼっちゃんの言葉に大きく頷く。
マ「ツアー前の忙しい時期と被るとは思いますけど。」
『大丈夫、両立してみせる。ソロで忙しいのは他のメンバーも一緒だから。』
マ「分かりました。すぐに返事しておきます。」
『つぼっちゃん、本当にありがとうございます。』
つぼっちゃんはもともとAAAのグループマネージャーの1人でメンバーとも仲良し。
坪田という名字から愛称はつぼっちゃん。
私のデビューと同時に私の個人担当になった。
グループマネージャーをしてたからこそグループ全体の方向性を考えた上で私個人の仕事も調整してくれる。
雑誌のインタビューなどもやりやすいところを選んでくれたりと本当にできるマネージャー。
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saku(プロフ) - カワウソさん» 泣きたくなるくらい嬉しいコメント本当にありがとうございます(;_;)嬉しくてそのコメントを何回も読みました(笑)これからも届虹をよろしくお願いします(;_;)!! (2018年2月27日 9時) (レス) id: 7bf4716d7e (このIDを非表示/違反報告)
saku(プロフ) - カワウソさん» 更新が不定期になってしまって申し訳ないです(;_;)早く続き公開できるように頑張ります!もう少しお待ちください(;_;) (2018年2月27日 9時) (レス) id: 7bf4716d7e (このIDを非表示/違反報告)
saku(プロフ) - Mioriさん» 返信かなり遅くなりましてすみません(;_;)こちらこそコメントありがとうございます!7章もよろしくお願いします(;_;)!! (2018年2月27日 9時) (レス) id: 7bf4716d7e (このIDを非表示/違反報告)
カワウソ(プロフ) - 全然飽きません!何回も1から読み直しています!笑 まだまだ完結は先かもと仰っていましたが、まだまだ続いてほしいのが本音です笑 更新頑張ってください! (2018年2月26日 23時) (レス) id: ce39b06bba (このIDを非表示/違反報告)
HWJ98yGIRs5Srag(プロフ) - 続きが見たいです (2018年2月20日 23時) (レス) id: a4a7a47dac (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:saku | 作成日時:2018年1月27日 11時