421(atae) ページ34
○atae said
與『…秀太はさ、』
あ「うん。」
俯いたまま俺の言葉に相槌を打つさくら。
だけど俺はそれに構わず話を進める。
秀太の、本当の気持ち。
與『さくらからコラボの仕事断られたんほんまは凄いショックやってん。』
あ「うん。」
與『なんでかちゃんと分かっとる？』
あ「え？」
顔をあげたさくらを見て、
出来るだけ優しい声でさくらを責めないように言葉を紡ぐ。
與『さくらさ、デモテープ聞かんで断ったんやろ？』
何かに気づいたように固まるさくら。
不器用な秀太はきっと自分の本当の気持ちなんて絶対言わへん。
さくらの気持ちが分かるからこそ、責めたり絶対せん。
だからこそ、さくらには知っといてほしい。
與『確かに秀太の気持ち知った上でコラボの仕事受けれんっていう気持ちも分かる。傷つけんでほしいって言ったんも俺やし。』
あ「…うん。」
與『やけど秀太はそういうプライベートの気持ち抜きに、プロとして、この仕事はさくらとやりたいって思ったんよ。この曲は七瀬さくらと歌いたいって。』
小さく頷くさくらの目に涙が溜まる。
與『それやのにさくらはデモも聞かず、詳しいことなんも聞かんと断ったんやろ？』
あ「…うん。」
與『俺が秀太の立場やったら傷つくなあ。…気持ち伝えたことめっちゃ後悔するわ。』
さくらの誕生日に何があったのかは秀太から聞いた。
そんなことしたらさくらが変に意識するのは当たり前やろ！って秀太には怒鳴ったし、そんな状況で完璧に仕事と私情を切り離して考えるなんてすぐにはできんやろうとも思う。
11年間もこの業界でやってきた俺たちと、同じレベルの切り替えをさくらに求めるのは酷やとも思う。
それでも、
秀太はあの曲をさくらと歌いたかった。
與『責めとるわけやないよ。スケジュール忙しかったんもほんとやろ？』
さくらが何も言わずに頷くのをみて頭を優しく叩く。
與『やけど秀太は秀太で、やっぱりそれなりに傷ついたってことも分かってやってな。』
あ「うん。」
與『しかも、大阪さんと歌う秀太を見たらそれはそれで嫌やったんやろ？』
あ「…すごい嫌だった。なんでこんな気持ちになるんだろうって、自分でもよくわかんないの。」
やっと話し始めたさくらは困ったように笑って俺を見る。
あ「駄目だな、私。」
さくらの手の中で台本がくしゃっと音を立てる。
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ましゅ(プロフ) - おかえりなさい、であっているのか分かりませんが待ってました。本当にこうやってまたsakuさんの執筆されるのが読めると思うとワクワクです。これからもsakuさんのペースで更新していってください。 (2019年8月6日 22時) (
レス) id: eadb1e86ec (このIDを非表示/違反報告)
rano(プロフ) - sakuさんのペースでこれからも頑張ってください！！ (2019年5月22日 23時) (レス) id: 84b15d4196 (このIDを非表示/違反報告)
まる - 初めまして。毎日来てはいちから読み直してます！いつも感動させられてます！更新楽しみにしてます！ (2019年4月3日 19時) (レス) id: 7a71984a73 (このIDを非表示/違反報告)
saku(プロフ) - さなっちさん» わ〜〜！！気づきませんでしたありがとうございます！修正しました（ ; ; ）頑張りますので完結まだぜひお付き合いください〜〜！更新遅くて本当にごめんなさい！！！ (2019年3月28日 7時) (レス) id: 62025c77a8 (このIDを非表示/違反報告)
さなっち - はじめまして。 この小説、とても共感しました。 お話の番号が395から369になっていましたが大丈夫ですか？ 続きが、すご〜〜〜〜〜く気になります。sakuさん、頑張ってください！応援してます。 (2019年3月25日 22時) (レス) id: c90a3cc57a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：saku | 作成日時：2018年6月18日 20時
