届かない虹

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『あの、みつくん、』


日「不安なら言って？怖いなら、辛いならもっと俺たちに頼って。仲間なんだから、さくらちゃんの悩みはみんなの悩みだよ。」



みつくんの言葉で鼻の奥がつんとする。


溢れてしまったら止まらなそうで、私は必死で涙を我慢する。



日「SNSの…誰かも分からない人の言葉より俺たちを信じて。」



その一言で、張り詰めていた糸がきれる。


ぽたぽたと落ちる涙は止まらなくて、私は必死で目を抑える。




『AAAのファンを辞めるって…ライブにはもう行かないって…』




私のことなら良い。

すぐに認めてもらえないのは仕方ない。





だけど、





『私のせいで…っみんなに迷惑がかかる………っ！！！！』




その瞬間ふわっと引き寄せられた体。


抱きしめられたことに一瞬びっくりしながらも背中をとんとんと叩く優しい温度に安心する。



『次の新曲で、私のダンスが認めてもらえなかったら…ファンの人に…も、私と秀ちゃんのハモり…気持ち悪いって言われたら…っ』



すぐそばにみつくんの温度を感じながら、溢れ出した不安は止まらなくって、


初めて私の中に溜まっていた恐怖が言葉になって流れ出す。



『ライブ会場がガラガラな夢…みたりっ…新曲全然ダメな夢みたり…夜も全然寝られなくってっ……』


日「うん。」



とんとん、と休むことなく私の背中を撫でてくれる優しい手。


しゃくりをあげながら途切れ途切れ話す私の話を黙ってずっと聞いてくれる。



『私、ちゃんとちあちゃんの代わりしなきゃいけないのに…っ全然できなくて、こんなんじゃ…っ』



私がAAAに入った意味がない。

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