届かない虹

38(naoya) ページ40

○naoya said




浦『…酷いね。』


日「でしょ。」



仕事の現場へ移動中の車の中。


今日は珍しく日高と2人。



見ているのはさくらのツイッター。



日「だいたいアカウント作るの早すぎだよね、こんなのリンチに合うに決まってるのに。」


浦『社長の考えだからね…』



どっちにしろ批判される。

酷いことも言われる。



そんなこと、分かっていたことだけど。



ただ、さくらのアカウントが無ければファンの不満は普通に個人のツイートやブログ、スタッフや俺たち他のメンバーにぶつけられたはずだ。


それなのに、さくらのアカウントをこのタイミングで作ったことで集中攻撃されてる。



浦『さくら大丈夫かな。』


日「そういや朝ちょっと変だった気するね。」



ついこの間まで一般人だったさくら。


こんなに一気に大勢から嫌われるなんて、初めての経験だろう。



浦『今週中に撮影した雑誌がほとんど発売されるでしょ、絡みの写真もあるし更に加速するかもね。』


日「しばらくは仕方ないことなんだろうけどね〜。」



さくらが、耐えれるかどうか。



一昨日、にっしーが気を利かせたおかげで秀太がやっとさくらをメンバーとして受け入れた。


とりあえず1番頭を悩ませていたことが解決してほっとしたところだったのに。


ある程度は予想してた、けど。



浦『ここまで…』



ス「着きました！」



スタッフさんの声と同時に車が止まる。


今日はライブのグッズ用の撮影。


にっしーと宇野ちゃんはソロの関係で遅れて参加することになっていて残りのメンバーで先にピンとペア画を撮ることになっている。


俺たちが車を降りると先についていたさくら達が手を振ってくる。



浦『こういう撮影、もう慣れた？』


あ「うん。最近なんか楽しくなってきた！」


與「最初らへん酷かったもんな。みちゃこが見兼ねて横からずっと指示しとったやん。」


あ「うるさーい。もう上手にできるし。」


與「上手？上手ではないで？不自然やなくなっただけで。」



真司郎と仲良くじゃれ合う姿にほっとする。


とりあえず、元気そうで良かった。

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