届かない虹

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浦「えー？なになにー？」


末「…。」



酔った宇野ちゃんの一言で端にいた直也くんが末吉さんを連れてやってくる。


結局みんなでまたテーブルを囲むことになった。


みんなの前で話すとかちょっと恥ずかしいんだけど…！！！



西「で、なんでさくらはAAAのオーディションを受けたの？」




私が、AAAのオーディションを受けた理由……




『私、中学生の時からAAAが大好きだったんです。』



初めて聴いた曲はDream After Dream。


失恋の曲なのにテンポの良いかっこ良いメロディーと全員の迫力あるダンスにくぎづけになった。



『高校生になって、ライブに行くようになって、メンバーの仲の良さとか見るたびに好きは大きくなって、』



通学中も、勉強中も、寝る前も。


聞くのはいつだってAAAの曲。



『…私の中でAAAは人生の一部分みたいで。ただのファンのくせにって思われるかもしれないけど、それくらい大事なんです。』


曲を聴くと元気になって、励まされて、


ライブに行くと嬉しくなって、また好きになって、


『小学校のころからなんとなく続けていたダンスはAAAに出会ってから目標ができました。…みんなみたいな、人に感動を与えられるようなダンスを踊りたいって。』


どんな仕事でも良い、ダンスに関わる仕事がしたい。


ぼんやりだけど、そんな風に考えるようにもなった。



『そんな時に、ちあちゃんの卒業が決まって。おめでたいことでの卒業だし、女の子としてちあちゃんには幸せになって欲しい。凄く嬉しいことだと思ったんです。思ったんですけど…』



卒業をSNSで知った時、1番最初によぎったのは他のメンバーのことだった。



『みさちあツアーを凄く凄く楽しみにしていた宇野ちゃんは大丈夫かな？って。ちあちゃんと1番仲の良かった…末吉さんはどんな気持ちだろう。やっとここまできたって嬉しそうに話してた直也君は？にっしーは？しんちゃんは？みつくんは？って…』



いつでも仲の良かった7人。


その1人が卒業して残される6人



『色んな意見がありましたよね。ちあちゃんも嫌なこと沢山言われたけど、みんなだって色んなこと沢山沢山言われましたよね。』



私はずっと、



『私ずっと、悔しかったんです。』



こんなに好きなのに私は何もできない。

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