Ruby キミの涙～初恋と宝石～Ⅴ１章 (ページ48)

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悩める父親① ページ48

佑樹side

　紙芝居の日から数日後

　栄上さんと約束した話し合いの形を
　どんな風に行うかな？って悩んだんだよね

　倫里『るなちゃんも話したい事があるみたいで。一緒に良いですか？』

　って

　俺の指導係の夏輝さんに相談した結果さ。人見知りなるなちゃんは、自宅からだったら余り緊張しないんじゃないかな？

　という事で、るなちゃん家で栄上さんと二人、俺は夏輝さんと二人病院の応接室から話し合いをする事にしたんだ

　倫里「本日はありがとうございます」

　いつも丁寧な栄上さん。るなちゃんを交えて話す前に『個人的に話したい事が』……って何だろうって思ってたんだけど

　倫里「斉多先生、子供達の成長は早いですね」

　佑樹「はい？」

　ごめんなさい。だけど……意味が分からなくて
　変な声出しちゃったんだ

　倫里「風歌と、るなちゃんに涼希くんはどこかお互いにお互いを思いやってか、いつも3人で居たんですよ。それなのに紙芝居が終わった後、涼希くんは『これからるなちゃん家に行って来ます』って言ったんです。風歌は紙芝居の前に、速水くんと二人でリモートで話をしてたみたいですけど…… 私が応接室に入ろうとした時に、先に来ていた速水くんのもの凄い大爆笑が聞こえてきたんですよね……あぁ、るなちゃんの想いが涼希くんに届いたんだなっていう感慨と、風歌の心の中に風を吹き込んで来た男性がいるのか？っていう喪失感と…… 色々な想いに駆られてしまってね……」

　佑樹「 ……」

　自嘲気味に仰られた栄上さんに、何て返して良いか分からなくて俺はさ。情けない事に何も言って差し上げられなかったんだよね

　夏輝「お父様として、叔父様としてはお寂しいでしょうけど…… 辛い思いをして来た彼女達にとっては…… 何か運命が良い方向に変わるキッカケになるかもですね？」

　さすが。夏輝さん…… フォローして下さって

　倫里「そうですね。大切な二人の娘達の幸せを……親として心から願いたいですから……」

　るな「娘？」