笑って生きて行く2-4 ページ31
児童福祉施設 桜園《さくらえん》
-園のリビング-
心都side
風ちゃんを、迎えに行って……
園のリビングで、ソファーに座るや否や
風『課題……』
と呟いた風ちゃん
数学の教科書開いて、課題を解き始めたのはいいけど……
《風ちゃんが課題を忘れたの？》
本当に……どうしちゃったの？ 風ちゃん……
迎えに行くと、いつもの柳ケ瀬家の明るい雰囲気じゃなくてさ
リョウくんも、瑛斗くんも、半泣き状態で目を真っ赤にしてるしさ
可哀想に……
こういう時、俺は、どういう態度でいれば良かったんだろうね？
いつもだったら、リョウくんに
涼那『もう! 心都くんうるさいよ!』
って言われちゃう様な明るく……努めて明るくして
当然だけど、リョウくんには、俺に突っ込んでくる余裕なんて無いし、瑛斗くんも、冷静だよ？ って感を出して……
二人ともさ、早く風ちゃんの苦しみの訳を知りたい。風ちゃんを助けてあげなきゃって……
けど焦って聞き出しても、良い結果になると 思えないから
ザワつく気持ちを押さえてるのが、痛い程に伝わって来たんだよね
-園リビング-
心都「風ちゃん、今日はサボりの日でしょ？ 課題さ、コレしてからでも良くない？」
風ちゃんの中で、課題をしないで学校に行くのって、あり得ない事なんだろうからね？ 《俺は 時々しないで学校に行って、先生に怒られてばっかだったけどね》
物事の順番を変えてみよう？ って提案すると
風「ジェンガ？」
「みさくん、うまいんだよ」
心都「こら! 大斗《ヒロト》! 百田先生だろ？」
保育園の年中組で、５才の大斗が 《風邪気味だから大事を取って保育園を休んでるんだ》横からチャチャを入れて来たんだけど
風「ジェンガする……」
って風ちゃん
なんか……ジェンガに、集中している感じは無くて
今、何を考えてるの？ 風ちゃん？
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作者名：涼風花 | 作成日時：2021年5月26日 16時
