温かい人 ページ8
意識が浮上してきて身じろぐと、強い力で身体を引き寄せられて目を開いた。
そういえば昨日遅くに韓国に帰ってきたんだった。
遅くなるからMondoにも帰ることを言わなかった。
目の前で眠る彼にうっすら残る隈を見つけてもう少し寝かせてあげようかな、という気持ちになる。
「ベッド寒いから動くなよ……」
寝起きの悪いMondoがむずがるように力を込める。
そんなに眠いなら寝てていいのに。
どちらにしろ昨日食事そっちのけで帰ってきたお腹はくうくうと鳴いている。
離して欲しいので手の甲を軽く叩くと渋々手を離してくれた。
そっとベッドから降りて、インスタントのコーンスープを入れた。
トーストができる頃にはMondoも起きてきていたので「好きなの塗って」とそのトーストを渡す。
バターをたっぷり塗ったトーストを齧りながら眠そうにソファに沈むMondoに少し心配になる。
ポットに残ったお湯で濃いめのコーヒーを入れてあげるとルリが散歩を待ってMondoの傍らに座る。
「私が散歩行ってこようか？」
たまに一緒に行くからルートは覚えている。
だから大丈夫だよ、と声をかけると間髪入れずに「いや、俺が行く」と返ってくる。
「あんまり寝れてないなら無理しなくていいよ？」
ソファで二度寝しないようにね、と声をかける。
少し呻いたあと、Mondoはちらりとこちらを見る。
「Aの方が寝れてないだろ。
散歩終わったら二度寝するから一緒に寝よ。」
普段あまり見ない甘え方に思わず目を丸くすると少し恥ずかしそうに「なんだよ」と口を尖らせる。
「今朝ごはん食べたばっかりなのに寝るの？？」
豚になっちゃうよ？と揶揄うように言うともうすっかりその気なのかいつもの調子を取り戻したMondoは「Aは軽すぎだから多少太っても平気だって〜」と笑う。
すっかり散歩の用意を終えたMondoとルリが玄関へ向かっていく。
「俺がAのいないベッドで寝たくなかっただけだから、そんな心配しなくていいよ」
私の心配に気付いていたのだろうMondoは言い逃げのようにそんなことを言って玄関の向こうに消えた。
そんな可愛いこといつの間に覚えてきたの！
思わず顔を真っ赤にしてしまうけど当の本人はもうそこにはいない。
そんな事を言われてしまっては仕方ない。
朝ごはんの片付けをして、少しポカポカした身体のままベッドの中へと戻った。
少し温もりの残るいつもより広いベッドが少し寂しくて。
なるほどこれなら仕方ないかと、少しづつ微睡んでいく波に身を任せた。
終わり
ログインすれば
この作者の新作が読める(完全無料)
←振り向く人
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 478人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
紫藤(プロフ) - ヒヨさん» 読みづらくて申し訳ありません。カタカナまじりの時は日本語、それ以外は韓国語として話しているという設定でしたので後で加筆修正させていただきます💦 (2022年9月6日 17時) (
レス) id: 3820e81fa3 (このIDを非表示/違反報告)
紫藤(プロフ) - 読む専ペンギンさん» 失礼しました 至急外させて頂きました！ (2022年9月6日 17時) (レス) id: 3820e81fa3 (このIDを非表示/違反報告)
ヒヨ(プロフ) - 新作ありがとうございます、とても楽しく呼んだいたのですがMさんのカタカナで話されるのが少し気になります…もしよろしければ普通の表記にしていただければとても読みやすいです。これからも応援しております (2022年9月6日 17時) (レス) @page1 id: 412825c0ad (このIDを非表示/違反報告)
読む専ペンギン(プロフ) - コメント失礼いたします。二次創作になりますので至急オ.リ.ジ.ナ.ル.フ.ラ.グ解除をお願いいたします。違反になってしまいますよ。解除後はこちらのコメントを削除していただいて問題ありません。 (2022年9月6日 16時) (レス) id: 5278ac0ee2 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：お品書き | 作成日時：2022年9月6日 6時
