Magic 8 ページ9
you side
耳元で囁かれた声は
美青年ではなく
ダブリエの彼でもなく
また別の誰かのもの
.
甘く脳内に響く低音ボイスに
背筋がゾクっとなるのがわかった
.
？「まだ帰らないで」
振り返ろうにも
彼は私ごと両手でドアノブを抑え込んでいて
まるで身動きが取れない
要するに
バックハグをされている状態だ
.
『あの…』
.
？「テヒョナ、近いから」
どうしていいかわからずにいると
また別の
少し掠れたハイトーンボイスに助けられた
.
？「あぁ、ごめん」
.
ようやく解放された体を
くるりと後方に向ける
.
絶句する
とは
まさにこのことか
.
金髪、ブルーの瞳、綺麗な鼻筋、陶器のような肌
1mmの狂いもなく
彼は
まるでこの世のものとは思えないほど
美しかった
.
？「すみません 彼、少し…その、個性的なんです。」
低音ボイスの彼に代わって謝る彼もまた、
とても魅力的だった
.
？「え、どこが？」
？「自覚ないから四次元とか言われるんだよ」
？「四次元？全く意味がわからない」
ふわふわの金髪にぽってりした下唇
妖艶な瞳に反して
少しだけあどけなさが残る笑み
.
ここは天国なのか
天使はいい男が多いのね
.
.
.
？「とりあえず一回座って、ね？
折角だしコーヒーだけでもご馳走させて？」
？「ヒョン…ちょっと、」
美形の彼がダブリエの彼に
何やら耳打ちをする
？「そう…」
.
気にはなったが
ダブリエの彼に優しく促されて
結局、
流されるままカウンター席へと足を運んだ
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作者名：pokota | 作成日時：2018年6月9日 22時
