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ryuto
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撮り終わったときに、
"作ちゃん"
と話しかけてきた甘い声に少し期待してしまった
『写真撮られることとか慣れてるんだね!』
といったAちゃんがなにかをはぐらかしたような気がして
見つめていたら、今度は自分までよくわからない気持ちになって
「いい匂い」
って変なこと言ってしまった
すぐに背を向けてしまったからわからないけど
Aちゃんが嬉しそうに照れてくれてたらななんて
いつから自分に自惚れてるんだろ
.
恥ずかしくて結局2人でハートを作った写真は選べなくて
無難な二枚の写真が画像ホルダーに保存された。
.
いつも通りAちゃんの家まで歩く
長いはずの1日がもう終わってしまった
角を曲がってアパートが見えてくる
まだお別れしたくなくて、アパートより少し手前で立ち止まったら
Aちゃんも一緒に立ち止まって、
『じゃあ今日はありがとう』
ってお別れの挨拶をはじめた
そうじゃなくて
『作ちゃん??』
「うん」
なにも言えずに生返事をすると
『じゃあね』って一人で行ってしまう
そうじゃなくて
背を向けたAちゃんの手を引くと
びっくりして振り向く。
その顔が、この細い腕が、華奢な身体も、洋服も
全部可愛くて、もっともっと一緒に居たいって思う
もっと近づきたいし、もっと触れたい。
『どうしたの?』
心配そうに覗き込んでるAちゃんに
"まだもう少し一緒に居たい"
ってなぜか言えなくて
「んーん、なんでもない」
"じゃあね"ってAちゃんと目を合わせられないまま背を向けた
.
『作ちゃん』
すぐに聞こえたAちゃんの声
同時に右腕の袖を引かれて振り返ると
『やっぱり、まだ一緒に居たいんだけど』
って照れてるAちゃん。
『ダメかな?』
俺より低い背のせいか上目遣いにこっちを見てくる姿に
さっきよりも心が痛いほどにきゅんと鳴る
「いや、ほんとは、俺もまだバイバイしたくなかった」
って正直な気持ちを伝えたら
よかったって安心してる
自分には言えなかった言葉をAちゃんは言ってくれたから
ありがとうの気持ちを込めて頭をポンポンってしたら
さっきと同じ香りが鼻をかすめた
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ちゅっきー(プロフ) - しのさん» 嬉しいです。゚(゚´ω`゚)゚。 (2019年3月14日 1時) (レス) id: c0a7664ca3 (このIDを非表示/違反報告)
しの(プロフ) - もう大好きです! (2019年3月13日 13時) (レス) id: a46f640836 (このIDを非表示/違反報告)
ちゅっきー(プロフ) - あいりさん» コメントありがとうございます^ - ^嬉しいです!これからも皆さんをきゅんきゅんさせられるような小説が書けるように頑張ります^ - ^ (2019年3月12日 0時) (レス) id: c0a7664ca3 (このIDを非表示/違反報告)
あいり - 初コメ失礼します!きゅんきゅんしちゃいました!これからも更新頑張って下さい (2019年3月11日 17時) (レス) id: b20c59240a (このIDを非表示/違反報告)
メロンパン(プロフ) - ちゅっきーさん» ほんとにこういう恋あれば良いのにね〜とりあえずちゅっきーさんの書く皆のわちゃわちゃ感好き!! (2019年3月3日 17時) (レス) id: cce2b62bbd (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ちゅっきー | 作成日時:2019年2月25日 21時