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翌朝、佐久間からの連絡はもちろん来ていなくて。
新幹線に乗って大阪に到着し岩本さんと合流してからは、スマホなんて見る暇もないくらい忙しく一日中動き回っていた。
夜も相手先の社長さんや担当営業さんたちと食事会が開催されて、息つく暇もない。
二日目も同じような一日を過ごした。
佐久間とは一切連絡を取らないまま三日目を迎える。
三日目は挨拶回りや工場の見学などを行い、また岩本さんとお土産物屋さんに寄ってから新幹線に乗った。
「疲れましたね…」
「怒涛の三日間だったねぇ」
「ほんと、まさに怒涛でした」
座席のリクライニングを少し傾けると、途端に眠気が襲ってくる。でも隣に先輩がいるのだから、とこまめにお茶を飲んだり目を見開いたりしながらなんとか睡魔と闘っていると隣で「ふふっ」と笑い声が聞こえた。
「寝ていーよ」
「え、あ、でも…」
「気にしなくていーから。疲れたっしょ？寝な？」
「……岩本さんって、ほんと優しいですよね」
改めて彼の優しさに感動していると隣からぼそっと「Aちゃんにだけね」という声が聞こえてしまった。
一瞬のうちに吹っ飛んでいく眠気。私にだけ……その言葉の意味を考えれば考えるほど、たどり着く結論は一つしかなくて絶望する。
「ごめん、聞かなかったことにして！」
黙ってしまった私を気遣うように岩本さんが誤魔化すものの、聞かなかったことになんてできるわけもなくて。
「岩本さん、私付き合ってる人がいるんです。同期の佐久間なんですけど…」
「うん、なんとなく気付いてたよ」
私も、なんとなく少し前から気付いてはいた。でも気付かないふりをずっとしてきた。頻繁に食事に誘ってくれたり、明らかに私にだけ特別感があるほどに優しかったり。
「自意識過剰だったらごめんなさい。もし岩本さんが、」
「もういいよ、言わなくて大丈夫」
「…っ」
「あーまさか告白する前にフラれるとはな」
眉毛をハの字にして笑う岩本さんの顔が直視できない。申し訳ない気持ちが胸に広がっていく。
「ごめんなさい。でも私、岩本さんのこと先輩として尊敬していて大好きで。できればこれからも仕事相手として頼りにさせてほしいと…思っています」
「まじそれはずりーわ(笑)でもそうだね。俺もフラれてハイわかりましたーとはなんないからね。隙があれば奪いにいくよ？」
「え……」
「はは、冗談。そんな困った顔すんなよ」
眩しすぎる岩本さんの顔が切なくて、無性に佐久間に会いたくなった。
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すの担 - 完結おめでとうございます！ﾞ(´∀`)また何かの機会で読ませていただけたら光栄です。これからも頑張ってください！応援してます！！！ (2022年4月8日 8時) (
レス) @page49 id: 20b86a31c8 (このIDを非表示/違反報告)
杏子(プロフ) - ゆさん» 二ヶ月半もの間お付き合いいただき、本当にありがとうございました！正直私も少しだけ寂しい気持ちがありますが、また次の作品を書くために胸を高鳴らせています！またお目に触れることがありましたら是非、よろしくお願いいたします！ (2021年8月21日 21時) (レス) id: a7517d1b2b (このIDを非表示/違反報告)
杏子(プロフ) - めぐさん» めぐさん、大好きと言っていただけたことも、幸せだと感じていただけたことも、とっっても嬉しいです。数ある作品の中から見つけていただいて、最後まで読んでくださっためぐさんもお疲れ様でした！ありがとうございました！ (2021年8月21日 21時) (レス) id: a7517d1b2b (このIDを非表示/違反報告)
ゆ - まずは完結おめでとうございます。終わってしまった、、とちょっと複雑だけど幸せな気持ちです。更新されるたびにいつもすぐ読みにきていました。大好きなお話しでした。二ヶ月半ありがとうございました。 (2021年8月21日 6時) (レス) id: 5f09612a30 (このIDを非表示/違反報告)
めぐ(プロフ) - 大好きなお話で、読んでて幸せでした！！完結おつかれさまでした！！♪ (2021年8月20日 20時) (レス) id: 19a0d7c3e3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：杏子
| 作成日時：2021年6月28日 16時
