第三十九話 ページ42
side小織
群衆ゾーンを抜け出せた。ありがとう爆豪くん、
ごめんねストーカーみたいに張りついちゃって
これで、やっと
｢夜はマフィアの時間だ。遅くなる前に着かなくては｣
私は走った。
目の前を駆けた私を見て爆豪くんが驚く
けれどすぐ目付きが変わり、何か私に言おうとしていた
事件の事でまだもっと聞きたいことがあるのだろう。
制止を振り切って走った。電車に駆け込んだ
夕方……まだ暗くはない。
私は海の見える墓所に向かった。ヨコハマの、織田作の眠る場所に
悩み事がある時、何かを打ち明けたい時、1人になりたい時、私はよくここに来る
…風が吹く。少し冷えてきたようで、寒い
長居は出来ないだろう
｢ねェ織田作……私ね昨日、数年振りに義父に会ったよ
そこで言われたんだ。“何時でも帰っておいで”って｣
抜けたのは私なのに、なのに
｢…ヴィランに殺害予告を受けた。能力も多少知られている
体育祭では個性も異能力も、使用する事になる……だから、欠場するか迷っている｣
お喋りから死ぬ。情報がものを言う。
体育祭で力が露見すれば、
平穏が、また遠のいてしまう
年相応には、なれなくなる
｢私は……穏やかに暮らしたいだけなんだ
いや…本当は｣
墓に向かって何を言っているんだろう、私は
…これじゃァ先程の人使くんと同じだ、脈絡が無い
言葉が上手く出てこない
目頭が熱くなってくる、なのに
｢泣きたい……けれど何故涙が流れないんだろう｣
墓を正面に体育座りした。暫く墓を眺めていた
目の前に大きな木と織田作の墓が、右側には水流が
後ろには階段が、降りた先には幾つもの墓が。
このおおきな木まで…織田作の眠る墓まで列を為すよう並んでいる。そこを人は通る
この時間、通る者は誰も居ない。
その筈だった
足音がする。
それは近付いてきている。足音からして男性だろう
階段を登っている。こちらへ向かっているようだ
遂に背後まで来た、私の右を通り過ぎ
織田作の墓をはさんで私の正面に立っている
……何故警戒せずに居たのだろう、私は。と自身で疑問に思う
だけれどこの足音を、気配を、私は知っていたから警戒しなかったのだと知る
私はめいっぱい顔を上に向け、その人を見た
太宰｢やァA……そんな顔する位なら、心中でもするかい？｣
酷い顔だ、と微笑む治が居た
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筰(さく(プロフ) - mさん» 主人公の時系列を探偵社に所属した太宰さんに合わせているので、いつか必ず出す予定です！ありがとうございます、頑張りますね (2020年6月13日 13時) (
レス) id: b67efb4444 (このIDを非表示/違反報告)
m - 面白いです！太宰さんが好きなのでいつか出てきてくれると嬉しいです！頑張って下さい！ (2020年6月13日 11時) (レス) id: 4054b1e03d (このIDを非表示/違反報告)
筰(さく(プロフ) - 零さん» ありがとうございます、頑張っちゃいます (2020年6月12日 23時) (レス) id: b67efb4444 (このIDを非表示/違反報告)
筰(さく(プロフ) - こおりさん» ありがとうございます、恐縮です(・・;) (2020年6月12日 23時) (レス) id: b67efb4444 (このIDを非表示/違反報告)
零(プロフ) - すごい面白いです！！更新頑張ってください！！！ (2020年6月12日 22時) (レス) id: fb24472eb0 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：筰(さく | 作成日時：2020年6月8日 21時
