WILD DOCTORS 16

褒め殺し？ ページ49

「寺さーん。」

「珍しいな、将吉が来るなんて。」

「いいっすか？」

「構わないよ、座って。」

来たか…。
わかるよな…さすがに。

「月と…ちゃんと話しました。
寺さんの言ってた通りなんで。」

「そっか。
じゃあ問題無いじゃん。」

「はい、だから…」

「だから？」

整った顔してんだよな、寺さんって。

「月の隣は俺なんで。」

「当たり前だろ？
わざわざそれ言いに来てくれたのか？」

「じゃあ…」

「なんだ？
やめないぞ。
お前が泣かせたら貰うぞ。
泣かせ無いならそれでいい。
だからくだらない事で泣かせるなよ。
そんなに軽い女じゃないんだから。」

ずっるー。

「寺さんて…色々ずるいっすね。」

「どこが？
ずるくていいなら、今、お前の隣に月子はいないぞ。
紳士的って言って欲しいな。」

「知的でクールで紳士的で？大人でセクシーで笑顔が素敵ですか、患者さんに人気ありますよね〜。」

「カッコ可愛くて、腕が良くて、優しくて、笑顔が可愛い、アメリカ帰り？最近少しワイルドでセクシー？人気者だよね〜。」

「あっ！真似した。」

「ホントの事だろ？」

「やっぱ嫌いてす、寺さん。」

「俺は好きだよ、将吉。」

「嫌です。」

「ハハハ。
哲也に言っとくよ。
やっぱりお前はすごいなって。」

「それには同意です。」

「素直でよろしい。」

少しずつでいい。
あいつが泣くのを減ららしてやってくれよ。
俺が貰わなくてもいいように。
心から笑えるように。
できれば俺の診察なんて、無くなるくらいに。
じゃないとほんとに奪いたくなるから。
それまでは、隔週１度の楽しみは譲ら無いぞ。
将吉なら、きっとできるよ。

「また来いな。」

「嫌ですよーだ。」

「なんなら夫婦で来てくれても構わないけど？」

「ぜってーないし。」

「今度、新居に呼んでよ、女子会とは別に。
奥さん、お料理好きだったよね〜？」

「いや、何重にも鍵かけとくんで、出禁ですから。」

「将吉〜頼むって。」

「甘えないでくださいっ。」

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