WILD DOCTORS 16

ヤバい物？ ページ29

「月ちゃん？
かじゅきが報告に来るから、ご飯においでよ。将ちゃん先生には伝えるから。」

みおちゃんからお電話もらって、将ちゃんが帰ってきてお着替えしてすぐに野替さんちへ。

「わーい。
みおちゃんのご飯だ♪」

和希さん、ご機嫌だ。
いい知らせが聞けそう。

「和希、食べながらでいいから話せよ。」

愁平さんに言われて、食べてた物をモグモグごっくんと飲み込んだ和希さんは話し出す。

「美咲は今はひとりっ子ですね。母親の連れ子で、今の父親とは小学3年、9歳から母親の再婚で暮らしてます。」

「だから父親あまり見ないんだ。」

愁平さんは納得というように頷く。

「今の父親はどんな人？」

将ちゃんは緊急時担当らしく、お酒は飲まずに食べてる。

「今の父親は輸入品雑貨の販売会社経営してて、調子いいみたいですね。
だから生活は余裕ある感じで、自宅に家族3人で暮らしてます。
実の父親は、兄と一緒に父の実家で暮らしてます。」

「実のお父様とは会えてるの？」

「いや、離婚依頼会ってないようです。」

…新しい父親が嫌がるのかな。

「で？美咲の狙いは？」

「夜遊びしてて、悪いやつに引っかかったみたい。
薬もですけど他にも何かヤバい物を捌いてて、その手伝いをしてます。
その品物を扱うのに危ないもんらしく、医師を探してるらしくて…それでお二人に。」

「俺、医師じゃねーし。」

愁平さんは理学療法士。

「あの子から見たら医者に見えるんだろ？
他の患者さんは先生って呼んでるし。
でも、それなら将康でもよくね？」

将ちゃんは自分が選ばれたのがわからないのが嫌みたい。

「変な女に見込まれて、馴れ馴れしく呼び捨てされて、家庭おかしくなるなんていい迷惑だ。」

もう、怒ってないけどね^_^;

「で、そのやばいもんって何？」

みおちゃんのお目々がキラキラしてる…。
これはまた絵美ちゃんとなにか始めたり…。

「そこまではまだ。
学校では“ヤバい物”で話が広まってるらしくて。」

「学校で広まってんのか？」

「広まってるのは噂だけです。
実際に関わってるのは美咲と仲のいい友達だけのようで。
その子の方が最初にそいつらと接点あってっていう話でした。
美咲は騙されてるって。」

「月が見たときに、一緒にいた子だろうな。」

将ちゃんが私を見た。

「顔覚えてる？」

「うん、見ればわかるよ。」

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