WILD DOCTORS 16

かーくんは強かった。 ページ46

「だから言ったろ？
お子ちゃま殴る趣味無いって。
それでもいいって言ったのそっちだからな。
口程にも無いのに縄張り作ってんじゃねーよ。
他の奴らに取られないように、ちびちびマーキングしておくんだな。」

もー、かーくんしばらく大人になろうと、オラオラ系は封印してたのに…猫耳ニャンニャンキャラで行きつつあったのに〜。
まだ少しビジュアル系オラオラ男子が残ってたみたい。
俺のファンのかわいいにゃんこちゃん達は、見なかった事にしてね。

「お前誰？
何の用でここに来たわけ？」

「だから言ったろ。
通りすがりで飲んじゃだめなのかって。」

「通りすがりが入る店じゃねーだろ。」

「入ったけど？」

「わかったよ。
それ飲んだら出てけよ。」

「飲まなくてもこんな店出てくよ。」

まだかなり残っていたビールのコッブを投げ捨てて店を出た。

「こわーい。
それにおビールもったいない〜！！」

よし、帰ろ。
とにかく美咲は利用されてる。
その証拠は取れた。
あとはあのグループとその上の組織を調べれば大体わかる。
あとは先生達におまかせだな。

✲✲✲✲✲

「お前が言ってやればいいんじゃないの？」

珍しくケンチからのお願い、こいつが頭下げるなんてなかなかない。

「俺が言うと、また絡まなくていい事まで絡め取っちゃうたろ？
頼むよ、てっちゃん。」

おーおー、月先生の事なら頭下げますか、昔なじみのてっちゃんに。
てーたんね、いろんな人からテッちゃんて呼ばれてるの。

「誰が言っても同じだろ？
お前も将吉も、月先生の事になるとピリピリするだろ？
そんな事して一番苦しいの誰かわかる？」

「月子だろ？」

「わかってるならやめてやれよ。
みんながお前と月先生をいまだに傍におこうとするのは、それを自然にできるようになって、将吉も受け流せるようにならないと駄目だからだろ？
まぁ、とにかく、将吉には、一言うまく言うよ。」

「ありがとう。頼むな。」
✲
　✲
✲
「将っ吉、将吉、将ちゃーん♪」

「歌わないでもらえますか？」

「あ、いた( ﾟ∀ﾟ)
あのさ、ちょっといい？」

「なんすか？」

「お前、月先生と別れろ。」

「はぁ？
なんですか、いきなり。
いくら哲也先生でも怒りますよ。
嫌ですよ、絶対に。」

「ずっと？」

「ずっとです。」

「誰か言っても？」

「誰でも同じです！」

「何があっても？」

「そうですよ！」

「じゃあ子供いなくてもいいんだろ？」

「なんですか、それ。」

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