続４頭の龍が守る桜 ３

欺いちゃって ページ7

「将吉！わかったと思うけど、俺、片岡さんにつくから。」

「なんでだよ愁平…なんか考えがあるんだろ？」

「考えとかねーから。
ずっとお前で来たけどさ、今回ヤバイっしょ？
俺も、お前と一緒に潰れるわけには行かねーよ。
だからバイバイな。
頑張れよ、無理だと思うけど。」

「強いものに巻かれるか…。
お前も他の奴らと同じかよ、じゃあな。今までありがとな。」

視線も合わせないで何がバイバイなだ。
ふざけるな…わからない俺じゃねーぞ。

「これでいい？
みんなの前でお別れしたけど？」

こんなことで信じる片岡じゃねーよな？

「まだお試し期間終わってないから。
ここの飯じゃ足りないよね？
どっか行こうよ。」

「岩田さんがいたけど、いいの？」

「一緒にいたのみたでしょ？
野暮なことしないの。」

「やっぱりそういう事なんだ？
ハッタリじゃ無いのね？」

「今回岩田は本気だよ。
だからあげたの、妹ちゃん。
相当いい資金くれたんだから。
幹部クラスの働きよ。」

「そんな金出したんだ。
金持ちはいいね。」

「そだね、金持ちは仲良しにならないと、敵に回すもんじゃ無いね。」

「あ、中華でいい？若い奴らもいるし。直己さんも来るしね。」

「俺は、何でもお利口さんに食べますよ。」

昨日紹介された参謀の直己さん…相当な切れ者とみた。
俺のことも多分最後まで信じないタイプ。ってことはこの直己さんを落とせばみんなが信じるってことだな。

今回は、将吉と直人さんの戦いじゃなく、橘さんと直己さんの戦いだと言われてる。

でも、橘さんは弱いよな…Aちゃんを人質に出しちゃったんだから…。
なんで出したんだろ？愛してないの？
俺なら好きな子ぜってー離さないよ。橘さんがAちゃんを好きで好きで大事にしてるって噂は実は違うの？

だけど今日は岩田とは一触即発な感じだったよな？

「野替君、飲もうよ、飲めるんでしょ？」

「あ、俺注ぎますよ。
直己さんもどうぞ。
改めてお願いします。」

敵も味方も欺いちゃってって言うもんね。俺、役者なります、今日から。
結構意外とあれよ？
なかなかのもんよ、役者。なんてね。

「うまいっすね、ここ。
知らなかった。」

「近くてもいい店あんだよ。
聞いて聞いて、グルメのことは。」

グルメ好き、フアッション好き、いい女好き、金かかるよなそりゃ。
二番は嫌なタイプか…。
自分の器知らねーのな。
今のお前の地位は、お前じゃなく、親父さんが土台作ったからだろ？

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