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寝室 ページ41

橘の兄様のお部屋…そんなにお邪魔してなかったのかしら?
それに、兄様まだ怖いかなって…私、兄様の何を怖がっていたのかしら。
なんだか兄様寂しそうなお顔をなさってた…。
今から行ってみようかしら…

兄様から借りた本が何かなかったかしら…。
そしたらお邪魔する理由ができるのに…。
 *

 *

橘の兄様のお部屋?ってどこだったかしら…。
私何してるのかしら…。

「Aさん、どうされました?
珍しいですね、お一人で。」

あ、この兄様に聞こう。

「あの…橘の」

「あ、今ならたぶんお部屋じゃないですか、お連れしますよ。」

良かった。

「ではここで失礼します。」

ここ…だった?

コンコン

誰だろう…?
この部屋のドアをノックするなんて、将吉か亜嵐か?

「はい、どうぞ」

「兄様…?」

「A!来てくれたのか?」

「この本を…お返しし忘れてて…」

あの医学書だ。
Aが持っていたんだ。

「よく来てくれたね。入って。」

この部屋を見たらいつものAに戻らないだろうか…
そんな簡単なことじゃないか。

「兄様のお部屋って前からここ?」

「そうだよ。どうしたの?」

「ううん。」

「何か飲む?
さっきAの部屋で飲んだばかりか。」

「そうね。」

俯き気味に少し笑う表情は、今のAなのにな…。
わかっていても、不思議な気分になる。

「兄様、また本を借りてもいい?」

「勿論いいよ。
何が読みたいの?」

「見せて頂いて選ぶわ。」

書棚を見ても、思い出さないか…。
ここは俺達の寝室なのに。

「上の方見える?
手伝おうか?おいで。」

抱き上げた妻はまた軽くなった。

「あ、兄様あれがいいわ。
一番上の棚の右から三冊目よ。」

「あぁ、あれか。
取ってあげるからここで待ってて。」

そっとベッドに下ろして本を取った。

「はい、どうぞ。」

「ありがとう、兄様。」

にっこり笑って見上げるAを、思わず抱きしめた。
それがいけなかった…。
体が小刻みに震えてる…

「イチさん…ごめんなさい…。
許して…ごんなさい、痛くしないで…。」

必死で声を出してるA…

「ごめんな、A。
怖かったよな、ずっと。
ほんとにごめん。
こんなにお前を苦しめて。」

「なぜイチさんが謝るの?
でもね、これだけは本当よ。
検査しても構わない。
桜も匠もイチさんの子供よ。
哲也兄様とは、そういうの無いから。
あなた以外に私に触れたのは、岩田だけ。
だから頭ではわかってても、耐えられなかったの」

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みお(プロフ) - ユキさん» 夢に出てくるよりずっと脳内愁の笑顔がふわふわしてんねん(@^▽^@) 暫くニヤニヤキュンキュンのみおさんであると思うよ(ハ〜ト) ゆきうさちゃんたらいま(チュッ)(=^..^=)ミャー (2019年7月15日 21時) (レス) id: 3dd427fe94 (このIDを非表示/違反報告)
ユキ(プロフ) - みおにゃんこさん(=^ェ^=)お帰りなさいぴょん ̄(=∵=) ̄今日は夢にも愁ちゃん出てくると良いねぴょん ̄(=∵=) ̄ (2019年7月15日 21時) (レス) id: 7bd6b3fcc4 (このIDを非表示/違反報告)
みお(プロフ) - 匠の初仕事かなり大変だよね(^0^;) 愁(ハ〜ト)&かじゅきがお膳立てしてくれるであろうけど、匠自身がびびらずやり遂げられるか心配なり(・_・;) 敵に情けや仏心は禁物だかんね!非情になるんだよ! 愁大きな怪我無く帰ってきてねラブチュッ(*´ω`*) (2019年7月15日 21時) (レス) id: 3dd427fe94 (このIDを非表示/違反報告)
みお(プロフ) - つくよみさん» もぉニヤニヤが止まらないヾ(≧∇≦) キュンキュンしまくりだよ〜ん(//∇//) 月タンも生将ちゃんに会える事祈ってるね♪(´ε` )  (2019年7月15日 21時) (レス) id: 3dd427fe94 (このIDを非表示/違反報告)
みお(プロフ) - GSさん、ツッタの右のオチリだったにゃん(=^..^=)ミャー (2019年7月15日 21時) (レス) id: 3dd427fe94 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:月詠 | 作成日時:2019年7月9日 3時

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