二人の兄様 ページ32
匠はなんとか自力で車椅子で動けるようになった。
亜嵐兄様と大樹兄様はその頃そろそろ退院と言われた。
綱紀は右手が使えなくなり、左手でのいろんな訓練が始まり、他の怪我の処置も体力の回復とともに進んだ。
かずきさんには、愁平さんのお手伝いをして欲しくて、匠と綱紀を同じ部屋で看護してもらうようにして、私が付き添った。
「ん゛ぁ〜娑婆の空気はうまいっ!
ラーメン食おうぜ大樹。
あんな病院の飯じゃ力出ないわ。」
「亜嵐ごめんな。
俺は屋敷に帰る。」
「わかってるよ。
俺もだよ。」
*
*
*
*
「Aさん、只今戻りました。
またお側で仕えさせてもらいますね。」
「大樹、もういいの?
無理しないで屋敷でもゆっくりなさいね。」
「いえ、もうすっかり元気ですから。
あ、えっと…」
「大樹、こちらすみれちゃんよ。
ずっと私のお世話をしてくれてるの。
仲良くしてあげてね。」
「側仕えの大樹です。
すみれさんの話は聞いています。
力仕事とかは遠慮なく言ってね。」
「すみれと申します。
大樹さんのお話は、Aさんからいつも聞いていました。
お願いします。」
聞いてはいたけど、俺以外にAさんのそばに誰かいるなんて、やだなって思ってしまった。
それと、やっぱり将吉さんの部屋にいるんだ…。
一見普通だけど、違うんだろうな…。
「あの…今日はかなりいい方で…。
何かの加減でだめな日もあって。」
とすみれちゃんが教えてくれた。
.
.
.
「今戻りました。
長い間ご迷惑おかけしました。」
「亜嵐、もういいのか?
無理するなよ。
またよろしくな。」
やっぱり俺は橘さんだ。
みんな最近悪く言うけど、俺は何かの考えがあってのことだと思ってる。
俺にはわかんないだけだ。
「亜嵐、早速だが頼まれてくれるか?」
「はい!」
「啓司に頼んで、牡丹の花束を頼むよ。Aに届けてくれ。」
「俺が…届けるんですか?」
「今、家庭内別居の状態なんだ。
頼む。」
噂はホントか。
橘さんが動くのが遅くて、Aさんを壊してしまったから、二人は会えなくなったって…。
そんな事、Aさんがわからないわけ無いのに、きっと何かあったんだな。
二人の兄様が帰ってきたことで、兄様達より下の子は、みんな元通り1つになった。
将吉おじ様は、改めてみんなを集めて
「この戦いには必ず勝ちたい。
力を貸してくれ!」
と話した。
父様始め、皆改めて勝ちを意識した。
私も、勿論だ。
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みお(プロフ) - ユキさん» 夢に出てくるよりずっと脳内愁の笑顔がふわふわしてんねん(@^▽^@) 暫くニヤニヤキュンキュンのみおさんであると思うよ(ハ〜ト) ゆきうさちゃんたらいま(チュッ)(=^..^=)ミャー (2019年7月15日 21時) (レス) id: 3dd427fe94 (このIDを非表示/違反報告)
ユキ(プロフ) - みおにゃんこさん(=^ェ^=)お帰りなさいぴょん ̄(=∵=) ̄今日は夢にも愁ちゃん出てくると良いねぴょん ̄(=∵=) ̄ (2019年7月15日 21時) (レス) id: 7bd6b3fcc4 (このIDを非表示/違反報告)
みお(プロフ) - 匠の初仕事かなり大変だよね(^0^;) 愁(ハ〜ト)&かじゅきがお膳立てしてくれるであろうけど、匠自身がびびらずやり遂げられるか心配なり(・_・;) 敵に情けや仏心は禁物だかんね!非情になるんだよ! 愁大きな怪我無く帰ってきてねラブチュッ(*´ω`*) (2019年7月15日 21時) (レス) id: 3dd427fe94 (このIDを非表示/違反報告)
みお(プロフ) - つくよみさん» もぉニヤニヤが止まらないヾ(≧∇≦) キュンキュンしまくりだよ〜ん(//∇//) 月タンも生将ちゃんに会える事祈ってるね♪(´ε` ) (2019年7月15日 21時) (レス) id: 3dd427fe94 (このIDを非表示/違反報告)
みお(プロフ) - GSさん、ツッタの右のオチリだったにゃん(=^..^=)ミャー (2019年7月15日 21時) (レス) id: 3dd427fe94 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:月詠 | 作成日時:2019年7月9日 3時