検索窓
今日:1 hit、昨日:2 hit、合計:29,475 hit

二人の兄様 ページ32

匠はなんとか自力で車椅子で動けるようになった。
亜嵐兄様と大樹兄様はその頃そろそろ退院と言われた。
綱紀は右手が使えなくなり、左手でのいろんな訓練が始まり、他の怪我の処置も体力の回復とともに進んだ。
かずきさんには、愁平さんのお手伝いをして欲しくて、匠と綱紀を同じ部屋で看護してもらうようにして、私が付き添った。

「ん゛ぁ〜娑婆の空気はうまいっ!
ラーメン食おうぜ大樹。
あんな病院の飯じゃ力出ないわ。」

「亜嵐ごめんな。
俺は屋敷に帰る。」

「わかってるよ。
俺もだよ。」

 *

 *
「Aさん、只今戻りました。
またお側で仕えさせてもらいますね。」

「大樹、もういいの?
無理しないで屋敷でもゆっくりなさいね。」

「いえ、もうすっかり元気ですから。
あ、えっと…」

「大樹、こちらすみれちゃんよ。
ずっと私のお世話をしてくれてるの。
仲良くしてあげてね。」

「側仕えの大樹です。
すみれさんの話は聞いています。
力仕事とかは遠慮なく言ってね。」

「すみれと申します。
大樹さんのお話は、Aさんからいつも聞いていました。
お願いします。」

聞いてはいたけど、俺以外にAさんのそばに誰かいるなんて、やだなって思ってしまった。
それと、やっぱり将吉さんの部屋にいるんだ…。
一見普通だけど、違うんだろうな…。

「あの…今日はかなりいい方で…。
何かの加減でだめな日もあって。」

とすみれちゃんが教えてくれた。



「今戻りました。
長い間ご迷惑おかけしました。」

「亜嵐、もういいのか?
無理するなよ。
またよろしくな。」

やっぱり俺は橘さんだ。
みんな最近悪く言うけど、俺は何かの考えがあってのことだと思ってる。
俺にはわかんないだけだ。

「亜嵐、早速だが頼まれてくれるか?」

「はい!」

「啓司に頼んで、牡丹の花束を頼むよ。Aに届けてくれ。」

「俺が…届けるんですか?」

「今、家庭内別居の状態なんだ。
頼む。」

噂はホントか。
橘さんが動くのが遅くて、Aさんを壊してしまったから、二人は会えなくなったって…。
そんな事、Aさんがわからないわけ無いのに、きっと何かあったんだな。

二人の兄様が帰ってきたことで、兄様達より下の子は、みんな元通り1つになった。

将吉おじ様は、改めてみんなを集めて

「この戦いには必ず勝ちたい。
力を貸してくれ!」

と話した。
父様始め、皆改めて勝ちを意識した。
私も、勿論だ。

動出→←年老いた庭師



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.9/10 (47 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
66人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

みお(プロフ) - ユキさん» 夢に出てくるよりずっと脳内愁の笑顔がふわふわしてんねん(@^▽^@) 暫くニヤニヤキュンキュンのみおさんであると思うよ(ハ〜ト) ゆきうさちゃんたらいま(チュッ)(=^..^=)ミャー (2019年7月15日 21時) (レス) id: 3dd427fe94 (このIDを非表示/違反報告)
ユキ(プロフ) - みおにゃんこさん(=^ェ^=)お帰りなさいぴょん ̄(=∵=) ̄今日は夢にも愁ちゃん出てくると良いねぴょん ̄(=∵=) ̄ (2019年7月15日 21時) (レス) id: 7bd6b3fcc4 (このIDを非表示/違反報告)
みお(プロフ) - 匠の初仕事かなり大変だよね(^0^;) 愁(ハ〜ト)&かじゅきがお膳立てしてくれるであろうけど、匠自身がびびらずやり遂げられるか心配なり(・_・;) 敵に情けや仏心は禁物だかんね!非情になるんだよ! 愁大きな怪我無く帰ってきてねラブチュッ(*´ω`*) (2019年7月15日 21時) (レス) id: 3dd427fe94 (このIDを非表示/違反報告)
みお(プロフ) - つくよみさん» もぉニヤニヤが止まらないヾ(≧∇≦) キュンキュンしまくりだよ〜ん(//∇//) 月タンも生将ちゃんに会える事祈ってるね♪(´ε` )  (2019年7月15日 21時) (レス) id: 3dd427fe94 (このIDを非表示/違反報告)
みお(プロフ) - GSさん、ツッタの右のオチリだったにゃん(=^..^=)ミャー (2019年7月15日 21時) (レス) id: 3dd427fe94 (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:月詠 | 作成日時:2019年7月9日 3時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。