それでもお兄ちゃん 4

卑怯で可愛そうな従兄弟 ページ49

「おはょ、月子ちゃん。
　ずいぶん苦しそうだね。」

「おくすり 飲ませて…。
　帰りたい…。」

「帰すと思うの？
お薬は医者が持ってくるからもう少し待ってて。
飲ませてあげるから。」

おとなしいかと思ったら結構頑張るね。
ミルクティ、君が何も入れないなんてお見通し、でも僕は入れたよ君の方にね。

「健一のとこに…返して…。」

「同じベッドに寝てて違う男の名前呼ぶなんてらしくないよ。
それにね…今度その名前呼んだら、子どもたち一人ずつ遊んであげようかなぁ…。」

「卑怯な…人。
　可愛そうな…。」

「自分の状況わかってる？
体動かないでしょ？
僕と同じベッドに寝てるんだよ？
僕のご機嫌損ねないほうがいいと思わない？」

まだ反抗するんだ。

「ほら、お薬きたよ。
気管支を楽にするのと胃の潰瘍、炎症のお薬、解熱剤に抗うつ剤、すごい飲むんだね。」

一つずつ手に取るだけでも大変だ。
何個ずつならいけるの？
お水と一緒に口に入れてあげるね。

「お薬、飲も。
飲ませてあげるからね。
ちゃんと口開けて。
歯を食いしばってると、余計に時間がかかるだけだよ。」

「はい、ちゃんとゴクンてして。」

「そうそう、上手。あと二回ね。
　月子ちゃん泣いてるの？
　中学生じゃあるまいし…。
　旦那以外とキスできて喜んでよ。
　たまには年下も良くない？
　かーわいいの。www。」

体動かないもんね、麻痺して。
素敵なお薬があるね。
問題になってるお薬は使っちゃだめだよ。
人間壊れるから。

「集まる割には助けに来ないね。
月子ちゃんお荷物なんだね。
病気やすぐ騙されたりとか、みんな意外とスッとしてたりして。
いらないなら僕がもらうのに。」

「月子ちゃーん眠いの？
じゃあ一緒に二度寝しよっか。
やだなぁ…そんな反抗的な目で見てんじゃねーよ。
今なら殺せるんだよ、お前のこと。
僕とこうして過ごしたい子、たくさんいるんだよ。
喜んでくれなきゃ。
わかった？」

「良陽ちゃん、蒼君、蓮ちゃん、瑞樹君、灯里ちゃん…ワンコもいたよねぇ？
月子ちゃんの態度にかかってるんだよ？」

「おとなしくなったね。
やっぱりお利口さんは違うよね。
恨むのは僕じゃないよ。
早く助けに来ない旦那でしょ？
まだ信じてるの？
学生時代の恋人を今でも気遣ってやれるなんて変だよ。
それだけ月子ちゃんの存在が彼にとって軽いんだよね？」

対面と移行→←薬を…

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