それでもお兄ちゃん 4

優しくなんてしない ページ46

「あ、ねぇ？
この女の人になんか言われてない？」

陽ちゃんが隅っこに映る女を発見。

「ホントだ！
　月さんに何か話してる！」

大樹君はゆきちゃんを連れてきて、そのまま上がり込んだ。

「姉さん、近所の人？」

哲也君に聞かれたけど…記憶にない。
首を振った。

「あ、出てった！」

雪花ちゃん、灯里ちゃんも呼んだ。
結局月ちゃん、健さん、将吉君、愁平君以外は全員我が家に集まった。

良平兄さん、陽ちゃん、良陽、けいたん、私、蒼、蓮、瑞樹、哲也君、雪花ちゃん、灯里、みおちゃん、愛ちゃん、大樹君、ゆきちゃん、15人いても大丈夫な広さ。
良かった、リビング広くして。

「この女に何か言われて、慌てて出ていってる。」

けいたんは心配そうに言った。

「ケンチは愁平と明日まではここにはあえて来ないそうだ。
月子のことは伝えてない。」

良平兄さんの目が鋭くなってる。

「岩田は月子を憎んでるんじゃない。
　刺激し過ぎるのも怖いな…。」

「病気なのも知ってて、無理やり連れてった奴に刺激うんぬん配慮してやるわけ？
それより月子だろ？」

哲也くんが言うとおり、月ちゃんの体力や何か起きた時の事が心配だった。

「せめてお薬だけでも…」

雪花ちゃんの言葉にみんな頷く。

「愁は大丈夫だよ、健兄に言わないと！
月姉可愛そうだよ。
岩田も切羽詰まれば何するかわかんないもん。」

みおちゃんは泣き出した。

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「月子ちゃん、やっと会えたね。
君んとこはすぐ結束するからうざくて仕方ない。」

「剛典さん、なんで？
　もうしない約束だよね？」

「いつか詐欺にひっかかるよ。
なんでそんなに簡単に人を信じるの？」

「子供が怪我してるって聞いて行かない人のほうが怖いわ。
無理やりつれてこられても、剛典さんのこと嫌いになるだけよ。」

「わかるのは月子ちゃんの方だよ。
　お勉強は得意だよね？
　しっかり学んでよね。」

「帰して、帰りたいの。
剛典さんとは今まで通り話せばいいでしょ？」

「良くないよ。
いつでも僕が必要なとき聞いてくれなきゃだめなんだ。
一緒に暮らして24時間僕に優しくして。」

「それは剛典さんの奥さんになる人のすることでしょ？
私は結婚してるの。」

「でも、その人に何かあるとして、月子ちゃんが助けられるなら話は別じゃない？」

「健一さんに何するの？
そんなことしたら、絶対優しくなんてしないから。」

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