それでもお兄ちゃん 4

おいたの代償？ ページ34

.
.
.
ほとんど記憶の戻った月子ちゃん。
もう言葉では騙せないね。
でも、優しいよね。
ラインで熱が高くて辛いとか医者には入院って言われたけど今の親にはそれより裁判みたい。
誰も心配してくれないなんて送ると…

大丈夫？
無理しないでお医者様の言う事聞いてね。

なんて返ってくんの。
優しいよね、マジで。
だからさ、それをぜーんぶ俺に向けてほしいわけ。
旦那の母親出てきたね。
うまいこと考えたね、施設か。
精神的にやばいし、隔離か拘束か。

カメラつけたんだよね。
邪魔だよね、あれ。
旦那も中々やるね。
ほんとに月子ちゃんが大切なんだ。
でもさ、たどり着くまでに遊びすぎじゃね？
泣いた子も多いんじゃないの？
イケメン会計士さん。
顔すら名前すら覚えてない子、何人かいるよね？
わかるよ、結局選ぶのは落ち着ける安らげる人。
俺もそうなの。
仕方ないよね、欲しいもん。

どうしようかな。
マジひとりになんないし。
手紙でも出す？

＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊

「月ちゃん、そくたつ？だって。」

「ありがとね、良陽。」

その日は月曜で市場がお休み。
だからお留守番の時良兄が来てくれた。
良陽も来てくれた。
陽ちゃんに息抜きデーをあげたという良兄の優しさを素敵だと思う。

見ると私宛、差出人は知らない女性。
読むと大学生の頃健一とお付き合いしてた方みたい。
遊ばれた結果になって、妻の私に嫉妬しますって…今更？
良兄に話すと

「だからなんだって？」

とやはり不思議に思ったみたい。

「どんな人か知りたいから近々来るって。」

「イタズラだろ？
　アルバムかなんか見てて、思い出してケンチに嫌がらせとか？
イタズラ考えたみたいなノリじゃないのか？」

「そうだよね？
　ずいぶん経つもんね。」

その日は良陽とおしゃべりして楽しかった。
頭のいい子だなって思った。
母さんの血を受けてるのかも。
哲也をお気に入りなのわかるな。

「月ちゃん、哲也おじちゃまのいる大学に行くのはどおしたらいいの？」

「そうね、それは今から良陽が大きくなってね、何になりたいのか決まって、それでも哲也の大学に行きたいなら行く。
でも、良陽のなりたいものになるのに必要な大学に行くの。」

「今はおじちゃまみたいにきよーじゅになりたいの。
そしたらお母さんはたくさんお勉強しないとなれないのよって言ってた。」

良陽はお父さんお母さんと呼ぶ様になってた。
どうやら良兄の希望みたい。

昼の訪問者→←マリア様の許し

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す