それでもお兄ちゃん 4

セキュリティと狼さん ページ29

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その日はアルバムを見て話をしてて少し遅くなった。
でも次の日は俺も休むつもりだったからゆっくり話してあげられた。
なんで写真のない時期があるの？
嫌味じゃなくて真顔できいてる辺り、まだ戻ってない記憶がある。

「俺が悪い男してたから。」

「健一が？
どんないけないことしてたの？」

「月を騙してでもないな、月が黙っててくれるのをいいことにおいたしてたの。」

「ふーん。いけないんだぁ。」

「そう、ダメダメさんだったの。」

嘘はついてない。
どう解釈してるかは月の自由。
頬杖ついてクスクス笑う妻は可愛い。
ベッドに入る頃は時計は翌日になってた。

「おやすみ、月。」

そっと抱きしめたら胸に寄り添って来てくれた。
幸せな夢を見て欲しい。
朝までぐっすり眠って欲しい。

だけどその夜またあいつはやってきた。
扉につけた格子の鍵を壊そうとしたのか、ガチャガチャと音を立てた。

月が先に気づいてくっついてきて起きた。
震えてるから小さな声で

「どした？」

って聞くと

「外…誰かいる。」

震える声で言う。
静かに起き上がって耳を澄ますと、確かにガチャガチャやってる。
ベッドを降りようとすると月が

「行かないで。
　入れないんでしょ？
　そばにいて。」

泣き声で言う。

「大丈夫だよ、待ってて。」

静かに近づいて一気にカーテンを開けたけどやっぱり誰もいない。
玄関に回ってもその後家中を見ても誰もいない。
警備会社からも電話があったが、警報のあと駆けつけたが不審者は見当たらなかったと言う。
誰なんだ…俺がいても入ろうとする。

「健一…お部屋変わる？
　このままで大丈夫かなぁ？」

「大丈夫。
警備会社も見てくれたけど、誰もいなかったって。」

「うん…。」

怖いのか必死にくっついてくる。
しばらくして自分は落ち着いてくると、そのくっついてるのがやばくなるわけで…。
月子さん…あんまりくっついてると隣に寝てる狼さんが起きそうです。
そっちがセ◯ムに捕まります。
でもそんなことも言えず…じっと我慢の子。

どうやったら夜の侵入未遂者を捕まえられるんだろう…。
なんのために侵入するわけ？

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