この香り知ってる ページ12
その夜、健一さんは何度も電話をくれた。
たぶんトイレに立つ時なのかな?
何度も
「大丈夫?」
聞いてくれたから怖くなかった。
そのうち無事に健一さんがほんのりお酒の香りをさせてハーゲンダッツと一緒に帰ってきた。
「ただいま、怖くなかった?
はい、お土産。」
「おかえりなさい。
何度も電話くれたから大丈夫だったよ。
ありがとう。」
その夜も健一さんは私が寝るまでそばにいて色んな話をしてくれた。
小さい頃の話や、初めて逢った時の話、フランスに行く時、啓兄と哲也が協力してくれたこと。
将ちゃんがなぜくっついてくるのかもわかった。
私が寝てから客間に行って寝てるみたい。
なんだか申し訳ないな。
明日から私が客間にしよう。
その夜は月も出てなくて真っ暗な夜だった。真夜中、風が強いのかテラスへ出るガラスの入った扉がガタガタ音を立てていた。
遮光カーテンが引いてあるから外は見えない。
最初は風だと思っていたけど、異様にガタガタ音がして…。
そのうち風じゃないんじゃないか、そんな考えが頭に浮かんだ。
そうなると風には聞こえなくて、誰かがドアの取っ手をガチャガチャしてる音にしか聞こえない。
鍵はしてあるけどそのうち扉が開いて誰かが入って来るんじゃないか…。
岩田さんだったらどぉしよう…。
どんなに打ち消しても怖くて客間をノックした。
寝てるのかドアは開かない。
今にも後ろから肩を掴まれる気がして、怖くて心の中ごめんなさいって言いながらドアを開けて中に入った。
寝ている健一さんのベッドの下に座ってそっと手を重ねた。
少し安心した。
ここなら怖くないし、いざとなれば健一さんは助けてくれる。
「どうしたっ、なんかあったか?」
起こしちゃったみたいで、慌てて起き上がった健一さん。
「ごめんね。起こして。」
訳を話すと急いで寝室へ見に行ってくれた。
「扉も開けて見たけど誰もいなかったよ。
でも、そんなに風もなかった。
怖かったね。」
ホッとしたら力が抜けた。
「おいで。一緒に寝よ。
今夜は寝室じゃ怖いでしょ?」
お布団を少し上げて笑ってる。
抵抗感なくベッドに上がって健一さんの隣に入った。
その時気づいた…健一さん上裸?
今更気づいてドキドキした。
「照れてる?」
「上いつもそうだった?」
「うん。あとね…」
健一さんに優しく抱きしめられた。
不思議と嫌じゃない。
「おやすみ。」
そのまま久しぶりに眠れた。
健一さんの香り知ってる気がした。
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つくよみ(プロフ) - よぅさーん( ´ ▽ ` )ノありがとです(*^_^*) (2019年4月12日 13時) (レス) id: 582338d1af (このIDを非表示/違反報告)
y0u(よぅ)(プロフ) - おぉ〜!!月詠さん、誕生日おめでとうございます!! そして、移行おめでとうございます♪ (2019年4月12日 12時) (レス) id: 689dff7acf (このIDを非表示/違反報告)
つくよみ(プロフ) - 黒木蓮(Kuroki・Len)さん» 絵美たんありがとー( ´ ▽ ` )ノ そうね、オイチイモノは楽しみに取っておいて、回復したらご褒美に食べるね(*^_^*) (2019年4月12日 11時) (レス) id: 582338d1af (このIDを非表示/違反報告)
つくよみ(プロフ) - ユキさん» ユキちゃんありがとー( ´ ▽ ` )ノ 誕生石ダイヤ、ヴィトン好き♪お金のかかる生き物のようです(笑)(;^ω^) (2019年4月12日 11時) (レス) id: 582338d1af (このIDを非表示/違反報告)
黒木蓮(Kuroki・Len)(プロフ) - 皆様、おはこんち〜 (〃´▽`) (2019年4月12日 11時) (レス) id: 6a7a2c1ba4 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:月詠 | 作成日時:2019年4月2日 22時