それでもお兄ちゃん 2

不調のワケ ページ10

「明後日の午後日本に着くよ。」

「うん。待ってるね。」

「荷物は全部新居に送ったから、受け取りは後日指定になってる。」

「大変だったね。ありがとう。」

「大丈夫だったろ？」

「うん、そうだね。」

「月？体調悪い？声が辛そう。」

「ううん、早く帰ってきてね。
　待ってるから。」

施設にいるから大丈夫だろうけ、なんだか声が辛そう。
心配だな…。
後で愁平君にメールしとくか。

「月さん昨日辺りからあまり良くないって医者から。
不安の限界なのかも。
ここへの移動があったり、将吉の心配したり、健一さんがいない不安そういうの言わないで抱えてるから…。」

月…もうすぐ帰る。
無理するなよ。絶対待ってて。

「愁平君、頼むな…。」

「お兄さん帰ってくれば治りますよ！」
.
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.
.
月…月…必ず帰るからな。
信じて待っててくれ。
あの家で二人で暮らそう。
寂しくないからな。
お前をおいて行ったりしないから。

「健一？」
呼ばれた気がして目をさました。
落とされた照明、愛ちゃんの寝息。
時計を見たらまだ深夜…。
胸に不安がこみ上げる。
愛ちゃんを起こさないように廊下に出た。
足元灯が灯る。
少し先に職員さんの詰所から廊下に光が漏れていた…。
その前にあるロビーでスマホを見よう。
できれば健一にメールしよう。
不安がこみ上げて胸が苦しくて怖い。
健一に何かあったのかも…。
他にも座って話している人が居る。
職員さんと入所者の方みたい。
職員さんの詰所の前を通ると、テレビの音が漏れ聞こえた。

フランス発日本行きの旅客機の墜落事故があったようです！
先程フランス支局の◯□局長からの電話によると…

飛行機の墜落事故？
健一？乗ってないよね？？
その飛行機じゃないよね？

そのあとの記憶は無かった。

しっかりして！→←次男一家来院。

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